2005 Fiscal Year Annual Research Report
光励起ガスソース成長法によるカーボンナノチューブの作製
Project/Area Number |
17560015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
丸山 隆浩 名城大学, 理工学部, 助教授 (30282338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成塚 重弥 名城大学, 理工学部, 教授 (80282680)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 走査トンネル顕微鏡 / ラマン分光 / SiC |
Research Abstract |
本年度は、まずカーボンナノチューブ(CNT)成長装置の設計・製作を行った。現有の真空チャンバー内に取り付け可能なCNT成長用エタノールガス導入システムを考案し、その作製を行った。さらに成長中の光励起用の真空紫外光源を選定し、購入した。 今年度は、特に、CNT成長用基板の作製のための条件出しを中心に行った。成長用基板は、電子ビーム蒸着法を用いてSiO_2/Si基板上に触媒金属粒子を形成したものを使用しているが、作製時の温度と触媒金属粒子のサイズ・形状、さらにはSiO_2膜の耐熱性等について、走査トンネル顕微鏡(STM)とX線光電子分光法により調べた。その結果、700℃以上で金属粒子同士が合体し、徐々に粒子サイズが大きくなること、また、800℃以上ではSiO_2膜が昇華してしまうことが明らかとなった。そのため、本基板では700℃以下での成長が望ましいと考えられる。 作製したCNT成長装置を用いて、上記基板上に実際に成長を行ったところ、基板温度700℃、エタノールガス圧10^<-2>Paで作製した試料において、ラマン分光測定から、グラファイト関連物質に特有のGバンドとDバンドピークが観測された。現在、これらがCNTであるかどうかをSEM等に確認実験を行っている。より低いガス圧での成長も行ったが、ほとんど反応生成物がみられなかったので、基板へのガス供給効率を上げることを検討中である。 また、上記実験と平行し、SiC基板の真空中加熱によるCNTの成長実験も行い、SiCからのCNT生成メカニズムについて、主にSTMを用いて調べた。その結果、SiCの表面分解により生成するカーボン粒子が1200℃以上で合体・結晶化し、キャップ構造を形成することを明らかにした。このキャップ構造が、SiC内部に生成するCNTの結晶構造やサイズを決定するものと考えられる。
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Research Products
(1 results)