2006 Fiscal Year Annual Research Report
次世代Cu/low-k材料間の極薄バリヤを用いた安定な界面形成のための基礎的検討
Project/Area Number |
17560018
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
武山 真弓 北見工業大学, 工学部, 助教授 (80236512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野矢 厚 北見工業大学, 工学部, 教授 (60133807)
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Keywords | Cu配線 / 極薄バリヤ / ラジカル窒化 / intermixing layer |
Research Abstract |
Si-ULSIにおけるCu配線技術の中で、最も解決を要する問題の一つとして極薄バリヤ膜の実現があげられる。極薄バリヤは単に数nmの連続で均一な膜を作製すること自体が、極めて困難である。さらに、近年の配線部分での信号遅延が回路全体の性能を律速するという状況をなんとか軽減するために、バリヤ材料は従来の高抵抗なTa系材料から、低抵抗な材料への移行が余儀なくされている。さらに、バリヤが極薄化したことで、従来から異種材料が接する界面ではよく知られたintermixing layerの存在が新たな問題として浮上した。そこで本研究では、まず3〜5nmの極薄膜を作製する手法も含めて検討を行っている。その結果、メタルを成膜した後、ラジカル反応により窒化物バリヤを作製するという新たな成膜手法により、数nmの極薄膜を作製することが可能であることを見いだし、かつその新たな手法で作製した膜は、従来の反応性スパッタ法で作製したバリヤ膜とほぼ同等の特性が得られることを実証した。さらに、前年度に界面層のない理想的な界面を形成するために、バリヤ材料の固有の性質(反応性、拡散性、化学的安定性、構造的安定性等)を考慮して選定したTiN, ZrN等の材料を我々が提案する新たな成膜手法により作製し、Cu/SiO2間、あるいはCu/low-k材料間の拡散バリヤとしての特性を検討したところ、3〜5nmの連続で均一なバリヤ膜を作製でき、かつ500〜700℃の熱処理後まで安定な系を得ることが可能な優れたバリヤ特性が得られることが明らかとなった。さらに、その界面に着目すると、従来見られるintermixing layerは全く存在しない界面を実現できることが実証された。したがって、材料の固有の性質に着目して界面設計を行った結果、物理的な成膜手法の範疇では、成膜手法によらず理想的な界面を形成できることが知られた。さらに、我々が今回提案した新たな成膜手法は、今後の極薄膜の作製法の一つとして極めて有用であることが明らかとなった。 さらに、今後ALD法等の化学的な成膜手法についても検討を行い、物理的な成膜手法により作製したバリヤのみならず、化学的な手法により作製したバリヤ膜においても同様の界面設計が成り立つかどうかを検証する予定である。
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Research Products
(14 results)