2006 Fiscal Year Annual Research Report
半導体表面の水素ブリスタリングの動的特性解明とナノ加工への応用
Project/Area Number |
17560025
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
岩田 博之 愛知工業大学, 工学部・電気学科, 講師 (20261034)
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Keywords | 水素イオン注入 / スマートカット / 透過型電子顕微鏡 / RBS / ブリスタリング / 結晶欠陥 / 格子欠陥 / ナノデバイス |
Research Abstract |
(1)基礎発現メカニズムの解明: 高濃度水素イオン注入によるダメージ、特に結晶欠陥の性状・方位・分布を透過型電子顕微鏡観察から評価し、薄膜切り出し形状・深さとの関連性を詳細に調べた。特にドーズ量・ドーパント種・キャリア濃度・イオン注入温度による違いを比較し,欠陥層内の深さ方向欠陥密度分布の動的差異を明らかにした。 (2)ブリスタリングの動的観察: 各種注入条件における試料のアニーリング中欠陥挙動を観察する。TEMを用いて欠陥層の変化、特にプレートレット状欠陥の空乏・剥離への成長のその場加熱観察。その場加熱観察ホルダーを装備した光学顕微鏡およびSEMを用いた表面ブリスタリングと局所的剥離の面積・深さ・温度の動的観察を行った。(1)の成果と合わせ剥離現象発現時の欠陥挙動を明らかにした. (3)SiC,Geへの応用: Ge結晶の3方位について剥離現象の比較を行ったが有意かつ興味深い結果は現在のところ得られていない.F, C, Bの援用照射は一定の促進効果を得た。データ整理,詳細な再実験も必要である.また,6H-SiCに対する評価を本格的に開始した. (4)RBS/C法など他の手法: ラザフォード散乱(RBS)分光法による欠陥分布評価を開始し,注入温度依存性ドーパント量依存性についての実験が終了し実験の有効性と実験精度が確認できた,TEMによる評価との比較検討を行っている.反跳原子検出法(ERDA)による水素分布検出を新たに開始した。厚め断面試料を用いたその場加熱実験,剥離周辺応力測定は次年度に開始したい。次年度の準備として顕微鏡内にて試料に微少応力をかける装置を開発・作製した。
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