2007 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ絶縁体薄膜-金属界面の制御および界面ポテンシャルの起源の解明
Project/Area Number |
17560027
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
吉武 道子 National Institute for Materials Science, 半導体材料センター, 主席研究員 (70343837)
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Keywords | 界面電位 / 界面終端 / バンドアライメント / 電子デバイス |
Research Abstract |
熱力学に基づいた界面終端制御とバンドアライメント Cu単結晶とAlを少量添加したCu単結晶をそれぞれ基板とした場合に、基板と単結晶アルミナ界面がどのようになり、それが基板のフェルミレベルとアルミナのバレンスバンドとの位置関係にどのように影響を与えるかを検討した。 α-アルミナ(0001)面とCu(111)面とは酸素原子を界面終として界面が形成されることが複数の実験から知られている。Ab-initio計算によると、Cu_3Al金属間化合物とアルミナの界面はアルミ原子になることが予想されている。界面原子の種類は、基板中のAlのアクティビティーに依存するというこの結果から、我々は、Alを9原子%含むCu合金(111)を基板として、910Kにて酸素分圧5x10-8Torrで1024Lの酸素を導入してエピタキシャルアルミナ膜を成長させた。 X線光電子分光(XPS)装置を用いて、Al2pスペクトルを取得したところ、界面原子がAlになっていることが判明した。また、UPSによるO2pスペクトル、フェルミレベル近傍及び価電子帯のスペクトル測定を行ったところ、基板のフェルミレベルとアルミナのバレンスバンドトップとのエネルギー差(バンドオフセット)は約4.4eVであった。 汎密度関数を用いた第一原理計算によると、界面が酸素原子の場合のバンドオフセットは2.6eV、界面がアルミ原子の場合は3.6eVである。この計算ではバンドオフセットの値は小さはに計算されることを考慮すると、実験と計算の一致は良いといえる。 結論として、Cuに少量のAlを添加することにより、界面の原子の種類を酸素からアルミに変えることができ、それによりバンドオフセットの値を大きく変えることに成功した。この方法は界面偏析の熱力学に基づくもので、広く様々な系に応用可能である。
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Research Products
(4 results)