2006 Fiscal Year Annual Research Report
実時間で三次元流体速度場の計測を行うためのホログラフィ専用計算機システムの研究
Project/Area Number |
17560031
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
伊藤 智義 千葉大学, 工学部, 教授 (20241862)
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Keywords | 応用光学 / 可視化 / 計算機システム / シミュレーション工学 / 超高速情報処理 |
Research Abstract |
三次元的な流れ場の瞬時・多点の速度情報を抽出する方法の一つにPTV法(Particle Tracking Velocimetry:粒子追跡法)がある。このPTVにホログラフィ技術を応用させた手法をホログラフィックPTV(Holographic PTV : HPTV)と呼ぶ。HPTVの研究はこれまで主に光学的に記録し、光学的に再生する手法で行われてきたが、装置が複雑なため、実用化が困難である。これに対して、デジタル処理によるHPTVの研究が始まっているが、ホログラフィの情報量が膨大であるため、今日の計算機環境でも実用に耐え得る計算速度は得られていない。本研究課題では専用のハードウェアシステムを構築して、この計算速度の大幅な向上を試みた。 昨年度は上記の研究目的にしたがって、大規模FPGA(Field Programmable Gate Array)ボードを用いて専用計算機(1号機)の試作を行い、本研究の有効性を示した。しかしながら、1号機はハードウェアの設計・製作を確実に行うために、計算アルゴリズムの中では重要な役割を担っているフーリエ変換の計算領域を256×256に限定した。これは本研究で使用しているFPGAチップの内部メモリの容量で制限されたためであった。 本年度は、実際にホログラムの撮影に使用しているCCDカメラの解像度1024×1024に合わせて、フーリエ変換の計算領域を1024×1024に拡張した2号機の設計・開発を行った。具体的な方法としては、大規模FPGAボード上に実装されている外部メモリ(1号機では不使用)を使用できるように回路設計を行ってメモリ容量を補い、1024×1024のフーリエ変換を可能にした。演算速度はPC(Personal Computer)よりも10倍速く、専用計算機システムがHPTV法に適していることを示した。
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Research Products
(5 results)