2005 Fiscal Year Annual Research Report
シリコンの選択酸化による細線光導波路の作製に関する研究
Project/Area Number |
17560032
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
飯山 宏一 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (90202837)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高宮 三郎 金沢大学, 自然科学研究科, 教授
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Keywords | 光導波路 / Si細線光導波路 / 光伝搬解析 / Siの選択酸化 / シリコン窒化膜 |
Research Abstract |
従来のSi光導波路は、クラッドとなる部分のSiをエッチングすることにより作製されるが、エッチング壁面の荒れにより光導波路の伝搬損失が比較的大きくなっている。 本研究は、クラッドとなる部分のSiのみを選択的に酸化してSi光導波路を作製することを目的とする。すなわち、コアとなるSiの上部に選択酸化用マスクを形成して酸化を行う。このとき、酸化は深さ方向だけでなく横方向にも進行するので、コアとクラッドの境界が滑らかになり、伝搬損失の低減が期待できる。 選択マスク材料としてシリコン窒化膜を採用し、酸化防止効果について検討を行った結果、LPCVD法により形成されたシリコン窒化膜は、1100℃、1300分の酸化条件においても、シリコン窒化膜自体は酸化されるものの、Siの酸化は防止できることがわかった。また、Siが酸化されると体積が2.3倍に膨張することがわかった。このことは、光導波路はクラッド部が盛り上がった構造になることを意味する。 次に、盛り上がったシリコン酸化膜をクラッドに持つSi光導波路の伝搬モード解析を行った。波長1550nmに対して、コア厚320nm、コア幅120〜440nmが単一モード条件であることがわかった。なお、酸化は横方向にも進行するため、選択酸化用マスク幅は単一モード条件より広く、1μm程度と考えられる。また、FDTD解析により、上記構造の光導波路は曲率半径5μm以上の円弧曲がりでは、過剰損失が無視できることがわかった。この結果は、本研究のSi光導波路の構造は光波回路の微細化に適していることを表している。 選択酸化によるSi光導波路を実際に作製したが、選択酸化マスクのパターニングの精度が悪く、1cmの光導波路長に対して、入出力結合効率も含めて30dBの損失であり、期待される結果はまだ得られていない。選択酸化マスクパターニングの改良が今後の課題である。
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Research Products
(2 results)