2006 Fiscal Year Annual Research Report
シリコンの選択酸化による細線光導波路の作製に関する研究
Project/Area Number |
17560032
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
飯山 宏一 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (90202837)
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Keywords | 光導波路 / Si細線光導波路 / 光伝搬解析 / Siの選択酸化 / シリコン窒化膜 |
Research Abstract |
従来のSi光導波路は、クラッドとなる部分のSiをエッチングすることにより作製されるが、エッチング壁面の荒れにより光導波路の伝搬損失が比較的大きくなっている。 本研究は、クラッドとなる部分のSiのみを選択的に酸化してSi光導波路を作製することを目的とする。すなわち、コアとなるSiの上部に選択酸化用マスク(シリコン窒化膜を利用)を形成して酸化を行う。このとき、酸化は深さ方向だけでなく横方向にも進行するので、コアとクラッドの境界が滑らかになり、伝搬損失の低減が期待できる。 17年度はドライ雰囲気で酸化を行ったが、酸化時間が長い(20時間以上)欠点がある。そこで、18年度はウェット雰囲気で酸化を行った。シリコン窒化膜厚40nm、1100℃、7時間の酸化条件において、Si表面が若干酸化されるものの、Si光導波路形成に十分な酸化防止性能があることがわかった。 選択酸化マスク幅を3μmとして、Si光導波路の作製行った。シリコン窒化膜のエッチングについて検討した結果、希フッ酸によるウェットエッチングではパターニングが困難であったので、フロンガスによるドライエッチングを行った。断面の顕微鏡観察により、酸化によりシリコン窒化膜下部のSiは選択されず、シリコン窒化膜がない部分のSiが酸化されてSiコアが形成されることを確認した。作製したSi光導波路の伝搬損失は6.3dB/cm、結合損失は29.8dBであった。同時に作製した従来法によるSi光導波路は、伝搬損失10.3dB/cm、結合損失27.0dBであり、本方法により伝搬損失が低減できることを実証した。結合損失は増加したが、これは、Si上部が酸化されたことによるコア厚減少によるものと考えている。 本研究で作製したSi光導波路は多モードであるので、今後は単一モードのSi光導波路の作製が必要である。
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Research Products
(3 results)