2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17560046
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
高橋 由美子 日本大学, 理工学部, 助手 (70339258)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 恭史 日本大学, 理工学部, 助教授 (40307799)
高野 良紀 日本大学, 理工学部, 教授 (30171466)
|
Keywords | パラメトリックX線 / X線回折 / イメージング / 時分割測定 / 物質構造 / ソフトマター / 加速器 |
Research Abstract |
本学量子科学研究所電子線利用研究施設における自由電子レーザーを利用したパラメトリックスX線をプローブとし、時分割X線回折光学系などパラメトリックX線の特性を活かした評価方法を開発し、これを用いて物質構造の揺らぎや相転移といった非平衡過程における秩序状態の評価方法を確立することを目的として研究を進めてきた。本年度は主に光学系の性能評価、改善を行い、生物試料やソフトマターの応用実験にも着手した。 (1)光学系の改善 これまでの研究によって、回折光学系での単結晶からの回折X線を検出することは可能となったが、検出ピーク位置が時間に依存して変動するなどの不安定性が確認された。このため、パラメトリックX線の発生源である電子ビームの安定性、光学素子・駆動装置など光学系の構成要素の安定性、室温変化など環境因子の影響について調査した。この結果に基づき改善を行った結果、電子ビームの軌道変動はビーム・フィードバック機構の導入により0.05%以下に制御可能となった。画像に直接影響するアナライザ結晶の角度変化は約1秒/時間であり、ロッキングカーブの半価幅が5.8秒(Si(111)反射,E=16keV)程度に対し、無視できない値である。ゴニオメータの高精度化、重量アップなどにより対策を検討している他、アナライザ結晶・結晶ホルダーの改善により熱・歪みへの対応を図った。さらに測定計全体をカバーで覆うことにより、光学系の温度変化を室温変化の1/2以下に抑えられた。検出器ではイメージ・インテンシファイア付き冷却CCDの新規導入によってSINの改善を行った。 (2)時分割測定機能の付加 光源のRF信号をトリガーとしてCCDカメラのゲートシステムに組み込み、光源のマクロバルスに同期させた時分割測定法を開発した。 (3)試料作製・測定 高分子/液晶の相分離過程、プラスチックファイバーの内部構造などの観察を行った。以上
|
Research Products
(3 results)