2005 Fiscal Year Annual Research Report
MEMSガスタービン用マイクロ水素燃焼器の基礎的研究
Project/Area Number |
17560047
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
鳥山 寿之 立命館大学, 理工学部, 教授 (30227681)
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Keywords | マイクロマシン / 航空宇宙工学 |
Research Abstract |
Deep-DIEによるシリコンバルクマイクロマシニングを応用したMEMSガスタービンエンジン用マイクロ燃焼器の空力構造設計を実施した.構造は缶型を採用した.缶型は環状型に比べて表面積/体積の比が小さく、燃焼器の小型化にはやや不利であるが、燃焼の安定性や燃焼室壁への熱伝導を低減できる利点がある.MEMSガスタービンエンジンの開発初期段階では、エンジンの出力向上に及ぼす燃焼の安定性や燃焼室壁への熱伝導低減が単純な小型化よりも重要と判断して缶型を採用した. 空力設計では、燃焼器はフレームホルダーの後流領域と火炎伝播領域の2領域から構成されると仮定して燃焼パラメータを解析した.すなわち、後流領域は燃焼ガスの濃度が一定の完全混合槽、火炎伝播領域は濃度勾配のある押し出し流通反応器と仮定して、それぞれにおける燃料、燃焼ガスの滞留時間、反応時間や燃焼負荷パラメータを考慮することにより、吹き消えが発生しない安定燃焼が実現可能な燃焼室体積、最適な当量比やそれに相当する燃焼温度等を計算した. 構造設計では、8層のシリコン基板の接合により燃焼室と冷却流路を形成する方法を採用した.燃焼室内にフレームホルダーと着火用マイクロヒーターを集積して作り込むプロセスも考案した.圧縮機から燃焼器に送られた圧縮空気は燃焼器で2流路に分岐する.1つの分岐流は水素ガスと予混合された後に燃焼器本体に送られ、高温の燃焼ガスを生成する.もう1つの分岐流は、燃焼器ライナーの周囲を冷却しながら、タービン翼冷却空気として再利用される構造を考案した.分岐流の質量流量の比率が、燃焼温度やライナー冷却に及ぼす影響を解析した. 以上の計算から求めた見積もった燃焼器の予備仕様は次のとおりである.燃焼室体積:〜10^<-7>m^3、質量流量:0.2g/s、入口流速:30m/s、入口全温:445K、入口全圧:237kPa、出口全温1300K、出口全圧:176kPa、燃料:水素、燃焼方式:予混合燃焼及び高温表面着火方式.この仕様が満足された場合、ブレイトンサイクル解析から、推力0.1Nで推重比0.5クラスのMEMSガスタービンエンジンが実現可能である.
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Research Products
(1 results)