2007 Fiscal Year Annual Research Report
大槻模連立一次方程式および最小二乗問題のクリロフ部分空間型反復解法の研究
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17560056
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
速水 謙 National Institute of Informatics, 情報学プリンシプル研究系, 教授 (20251358)
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Keywords | 最小二乗問題 / 反復解法 / 前処理 / クリロフ部分空間法 / 一般逆行列 / 正則化 / 特異系 / 大規模疎行列 |
Research Abstract |
(1)最小二乗問題に対する前処理付きGMRES法 筆者らが提案していた、大規模で疎な長方行列を係数とする最小二乗問題に対して、右または左から適切な長方行列をかけて前処理を施してから一般化最小残差法(GMRES法)を適用する手法の研究を引き続き行った。 まず、前処理としてRIF(Robust Incomplete Factorization)法を適用した大規模問題に対する数値実験を完了し、いままでの研究成果を英論文にまとめて投稿した。現在査読結果に基づき、修正中である。特に、係数行列の特異値の分布と反復法の収束性の関連を調べている。 一方、正方行列に対して提案されていた最急降下法を用いて近似逆行列を構成する方法を、長方形行列に対して一般化し、近似一般逆行列を求める前処理法を提案し、その有効性を理論解析と数値実験により示し、英論文にまとめて投稿した。さらに、ランク落ちした最小二乗問題に対する前処理法を考案し、その有効性を検討している。 さらに、条件の悪い最小二乗問題を正則化した場合の前処理法を考案し、その有効性を数値実験により検討した。 (2)特異行列を係数行列にもつ連立一次方程式に対するクリロフ部分空間法の収束性 筆者が今まで行ってきた、特異行列を係数行列にもつ連立一次方程式に対するGCR(k)法やGMRES法などのクリロフ部分空間法の収束性を、アルゴリズムを係数行列の像空間成分とその直交補空間成分に分離して解析する手法に関する研究をまとめて英論文を執筆中である。
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