2005 Fiscal Year Annual Research Report
純チタンの微視的組織変化を考慮したマイクロステントの変形解析
Project/Area Number |
17560057
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐々木 克彦 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90215715)
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Keywords | ステント / SUS316L / チタン / 生体材料 / 表面性状 / 構造解析 / クリープ / 構成式 |
Research Abstract |
1.マイクロステント構成材料であるSUS316LおよびCPチタンの基本的力学特性の把握を行った. (1)純粋引張を行いSUS316LおよびCPチタンの降伏応力,引張強さ,全伸び等の強度特性を明らかにした. (2)初期負荷による変形量が後続負荷の強度特性に与える影響について定量的に把握した. (3)変形速度依存性や塑性ひずみ回復などの粘塑性変形特性を把握した. (4)SUS316L材の繰返し変形に伴う微視的組織変化と変形特性との関連性を明確にした. 2.変形と表面性状との関連性の評価を行った. (1)純粋引張時における表面性状を光学顕微鏡と表面粗さ測定器により観察および測定した.この結果,表面性状と変形との関係を定量的に評価した.また,SUS316L材とCPチタン材の表面性状と変形との関係には,結晶構造の違いに起因する明らかな差が認められた. (2)時間非依存性の変形である塑性変形に起因する表面性状変化と時間依存性変形であるクリープ変形に起因する表面性状変化を観察および測定した.その結果,SUS316L材は塑性変形とクリープ変形による表面性状変化はほぼ同一であったが,純チタン材では,クリープ変形による表面性状変化が著しく,塑性変形による表面性状変化とは異なる結果を得た. 3.上記実験結果に基づくステントの構造解析手法の検討を行った. (1)研究協力者であるXia(カナダ・アルバータ大学)とステントの構造解析に関する討論を行った.この結果,上記の実験結果に基づき,粘塑性変形の情報を有限要素法に構成式として組み込み解析を行うこととなった.また,解析効率向上のために,ステントの微小部分モデル解析を均質化法により全体モデルに拡張する手法を検討することとなった.
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