2005 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギ白色X線を用いた残留応力スキャニング法に関する研究
Project/Area Number |
17560058
|
Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
柴野 純一 北見工業大学, 工学部, 助教授 (60206141)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 賢治 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (30154537)
菖蒲 敬久 日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 技術開発協力員
|
Keywords | 白色X線 / 高エネルギーX線 / シンクロトロン放射光 / 内部ひずみ / 残留応力 / 非破壊評価 |
Research Abstract |
高エネルギー,高指向性の白色X線は,低エネルギーの特性X線では困難な数mmレベルの深さまで侵入でき,中性子では時間的制約の大きいμmレベルの領域の応力測定が可能となる。このように,高エネルギー白色X線による測定には,特性X線測定と中性子測定に対する相補的な役割が期待される.しかし,日本においては高エネルギー白色X線を利用した研究例はほとんどない. 本研究では,大型放射光施設SPring-8に設置された日本原子力研究開発機構の専用ビームラインBL14B1において得られる高エネルギー白色X線を用いて,材料内部のひずみ測定に関する基礎的な実験を行った.試料には炭素鋼S45Cとオーステナイト系ステンレス鋼SUS304Lを用いて,擬似的に4点曲げを負荷した.白色X線測定におけるBragg角は,主要な格子面の回折X線エネルギーが高エネルギー側になるように考慮し5°とした.このとき照射ビーム高さを50μmとすると,ゲージボリュームの長さは574μm,高さは50μmであり,厚さが5mmある梁からはみ出ることはない.厚さ5mmの試料を透過した回折X線のピークエネルギーの変化から負荷方向のひずみを直接求めた.高エネルギー白色X線による内部ひずみ測定の課題などを検討した.その結果,以下のことが得られた. (1)60〜120keV程度の高エネルギー白色X線を用いれば,厚さ5mmの炭素鋼S45Cやオーステナイトステンレス鋼SUS304Lの材料内部のひずみが測定できる. (2)白色X線測定によって得られる同一方向の複数の格子面のひずみ情報を利用すれば,結晶粒径が大きい材料においても測定精度の向上が期待できる. (3)高エネルギー側の回折ピークを利用し,かつカウント数をより高くして回折プロファイルをできるだけガウス曲線に近づけると測定誤差は減少する.
|
Research Products
(1 results)