2006 Fiscal Year Annual Research Report
機能性不均質柔軟構造物の熱負荷による動的応答と非線形不安定挙動に関する数理解析
Project/Area Number |
17560077
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
谷川 義信 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (30081219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河村 隆介 大阪府立大学, 工学研究科, 助手 (70234135)
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Keywords | 機械材料・材料力学 / 不均質材料 / 熱弾性安定性 / 熱座屈・座屈後挙動 / 熱誘起振動 |
Research Abstract |
不均質柔軟構造物の熱座屈,熱弾性安定性および周期的熱負荷による不均質柔軟構造物の熱誘起振動の問題に取り組んだ. 1.均質な基板上に板厚方向に材料物性が連続的に変化する不均質な薄膜が形成された不均質薄膜一均質基板系を解析モデルとしてとりあげた.材料不均質性に起因する伸張曲げ連成を考慮した薄膜一基板系の非線形支配方程式を導出し,薄膜一基板系の座屈後の非線形挙動を解析した.特に,ボアソン比の不均質性が座屈後挙動に及ぼす影響の検討に焦点を当てた.薄膜の座屈モードに並進対称性の仮定を課すことによって座屈後の合力,面外変位とその振幅を決定した.物性値がべき乗関数により与えられる場合に,座屈後の面外変位と合力に及ぼす不均質性の影響について検討した結果,特に,座屈後の合力は面外変位に依存し,不均質性に応じて板幅の中央と両端に現れる最大値もしくは最小値が入れ替わるという事実を明らかにした. 2.比熱容量が板厚方向の座標変数のべき乗形の不均質性を持つ不均質板の非定常熱伝導問題において,Kelvin関数を用いた実関数表示された温度解を新たに導出した.熱的境界条件として,板の上面または下面に正弦的に時間変化する加熱が与えられ,他方の面で完全冷却あるいは断熱される場合を想定した.比熱容量の不均質性を考慮した不均質板の非定常温度解を用いて,不均質長方形板の熱誘起振動を全周単純支持条件の下で理論解析した.そして,各熱的境界条件に対して,熱物性の不均質性が板の熱弾性応答に及ぼす影響について検討した.数値計算結果から,他方の面で完全冷却される場合,熱物性の不均質性が板の中央面付近における熱応力を緩和させる効果を持つことが明らかになった.また,他方の面で断熱される場合には,熱物性の不均質性が板の中央面付近における熱応力に加え,板の熱変形および板の上下面における熱応力を緩和させる効果を持つことが明らかになった.
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Research Products
(5 results)