2005 Fiscal Year Annual Research Report
アルミニウムダブルスキン構造を用いた衝撃エネルギー吸収機構の開発
Project/Area Number |
17560079
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
小久保 邦雄 工学院大学, 工学部, 教授 (70245645)
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Keywords | 衝撃吸収 / アルミニウム / ダブルスキン構造 / 有限要素法 / 陽解法 |
Research Abstract |
段ボールのような二枚の薄板の間にリブを設ける構造がアルミニウム材の押し出し加工により製造可能になった。鉄道車両のような大型の構造物の衝突時のエネルギー吸収材としてこの二枚の薄板の間にリブを設けたダブルスキン構造を利用することが考えられている。そこで本研究ではこの二枚の板と中間のリブの配置と板厚の比の最適化を図るため有限要素法の陽解法ソフトLS-DYNAを用い数値計算を行なった。この解析では、薄板の溶接されている部分については溶接部に破損ひずみを設定し、割れも考慮した。 エネルギー吸収材としての効率を評価するためには荷重-変位曲線における最大荷重、圧壊ストローク、平均荷重、エネルギー吸収量、圧潰モードなどについて検討する必要があり、二枚の薄板の間のリブの配置をトラス型にしたモデルではダブルスキン構造の面外剛性が高いため規則的な変形が生じ、エネルギー吸収も高い。しかし製造が難しいことや、全体を組み立てるときの溶接部の割れについても工夫が必要である。二枚の面板とリブの配置、二枚の薄板とリブの厚さの関係や溶接箇所についても検討した。 二枚の薄板の間のリブの配置が面板に直角になるフレーム形の構造では、ダブルスキン構造全体の面外剛性が低下し、ダブルスキン構造全体が変形し、好ましくない変形が生じ、全体が樽状に膨らむことがわかった。そこで、ダブルスキン構造の変形モードの波長を小さくし、樽状に膨らむ変形を制御し、吸収材の板厚を薄くすること、あるいは変形を防止する補強をすることにより変形モードの制御が可能であり、圧潰モードを規則的な変形にすることができた。実際には四角形以外の断面のエネルギー吸収材も考えられ、今後の検討課題である。さらに適当な場所に孔をあけることにより性能を大幅に改善することができるものと考えられ、孔の位置を上端や下端で高さと径を変えて解析を行ってゆく。また実験、計測方法についても計画をたてることができた。
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Research Products
(2 results)