2007 Fiscal Year Annual Research Report
複合材料構造の損傷による最終強度劣化と損傷解析手法の開発
Project/Area Number |
17560080
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
末益 博志 Sophia University, 理工学部, 教授 (20134661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長嶋 利夫 上智大学, 理工学部, 教授 (10338436)
郷津 勝久 上智大学, 理工学部, 助手 (40178439)
間島 理 上智大学, 理工学部, 助手 (90053678)
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Keywords | 複合材料 / 損傷 / 層問剥離 / 破壊力学 / 有限要素法 / 損傷解析 |
Research Abstract |
繊維強化複合材料は、層間剥離やマトリックスクラックと言った二次的な損傷がときには連成して思わぬ強度低下を引き起こす。したがって初期損傷を設計でどのように取り扱うかは複合材料構造設計での最重要課題である。 損傷解析手法に関しては、界面破壊のシミュレーションのための結合力モデルと圧縮破壊のモデル化のための弾性率を減少させる損傷モデルを用いた損傷解析における問題点と可能性の検討と拡張有限要素法の剥離モデル化の検討を引き続き行った。3層界面破壊要素を提案し、クラック近傍の変形の自由度を上げることにより若干だがスムーズな損傷進展を実現でき、クラック先端部の応力の表式が損傷進展解析において本質的な条件であることを明確にできた。 損傷からの破壊メカニズムに関する研究として、いくつかの課題について実行した。複合材料製圧力容器に関してはマイナーな損傷が重大な繊維破壊を引き起こすメカニズムを明らかにし、圧力容器設計に関する指針を示すことができた。複合材料積層板の円形孔周りの応力集中部からの破壊に関して実験を実施し、様々な損傷の累積過程が現れることを示した。損傷の発生が試験片ごとに異なりその後の損傷累積過程に大きく影響する。応力集中部の大きさも圧縮による損傷発生に寄与する。動的効果を考慮した解析を行い、実験結果をある程度説明できたが、損傷発生の体積効果を考慮した損傷解析手法を開発することは今後の課題としたい。また拡張有限要素法を剥離した複合材料板に応用し、剥離のモデル化に有効であることを示した。
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