2006 Fiscal Year Annual Research Report
変態塑性現象の塑性力学的統合理論の構築とその微視的検討
Project/Area Number |
17560085
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
井上 達雄 福山大学, 工学部, 教授 (10025950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
巨 東英 埼玉工業大学, 工学部, 教授 (10255143)
上原 拓也 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (50311741)
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Keywords | 相変態 / 変態・熱・力学 / 変態塑性 / シミュレーション / フェーズフィールド法 / 浸炭 / 焼入れ / 統合型熱塑性構成式 |
Research Abstract |
変態・熱・力学理論とそれに基づくシミュレーションを行うために、変態塑性挙動の把握は、極めて重要であるとの立場から、以下の研究を実施した。 1.降伏関数に,変態に関わる効果を導入することによって,塑性ポテンシャル理論によって,熱塑性と変態塑性ひずみ速度の構成式を規定した.これによって,いわゆる変態塑性係数の物理的意味は,変態による相の変化が母相と新相の降伏応力に及ぼす効果に関わるものであることが示唆された.さらに,変態に伴う変態塑性挙動の数値的考察を行い,実験との比較検討を行った. 2.既存の設備に引張荷重と温度を自由に制御できる装置を付加・改良し、炭素鋼、Cr鋼、Cr-MO鋼などについて、変態塑性係数を同定した。 3.決定した変態塑性係数を、既開発のソフトCOSMAPに導入し、いくつかの変態・熱・力学過程のシミュレーションを行い、他の結果と比較して妥当性を検証した。 4.耐火鋼について、室温から800度に至る高温引張り試験を実施し、これに基づく火災の発生から鎮火に至る温度と負荷の変化に関する応答の解析を行った。 5.フェーズフィールド法によって、相変態とくに液相からの固体の核生成と成長に関するシミュレーションを行った。これは、今後の変態塑性効果がメゾ的立場で相変態に及ぼす影響に関する考察の準備段階として有益なものである。
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