Research Abstract |
地場産業における加工の工業的分野の中で,研磨における工業技術の向上は,地域における工業が抱える重要な課題であり,その中で,比較的大きな面精度での研磨から,ナノマシーンやマイクロマシーンの製作時におけるナノオーダーでの超精密研磨まで,現在の研磨におけるプロセスを省力化し研磨コストを下げることは,企業における経済的な問題から,早急に解決しなければならない課題の一つである.また,現在の研磨の主流は,研磨する面と研磨される材料の表面とが接触している,いわゆるラッピングという研磨技術であり,平面研磨を主体としている.したがって,複雑形状を有する物体面を研磨する場合には,その物体形状に合わせて研磨装置を使うこと,または手による職人技に頼らざるを得ないのが現状であるので,省力化された,安価な研磨装置や,容易な研磨手法を開発する必要性がある.そこで本研究では,加工の最終段階の工程では,研磨による仕上げが行われるが,その工程について大幅な省力化を図る新しい研磨技術の開発を行ったが,そのためには,フロートポリッシングを採用した.特に,複雑形状を有する物体については,手作業による仕上げ(研磨)が必要であるが,本研究代表者が開発した磁場に反応する新しい機能性流体(磁気混合流体(MCF))を研磨液とじて使用することにより,複雑形状を有する物体の最終仕上げを簡単な研磨機を使うことによって実現し,安価な研磨装置の開発と,研磨工程の省力化を図る研究を行った.すなわち,次のような研究ステップを踏んで,本研究を実施し成果を得た. (a)砥粒を含むMCFによる研磨液の開発により,本研究目的に沿う研磨液を開発した. (b)上記(a)で作成した研磨流体を用いて,あらゆる材料(SUS,セラミックス,ガラス等)におけるナノ研磨ができることが分かり,また,研磨の実現を目指して,既存の研磨試験装置を使用し,研磨基礎実験を行った結果,表面粗さの県下を得る以外に,表面観察による表面状態が材料により異なることが分かった. (c)3次元複雑形状研磨実験装置を作成し,凹凸面の全面同時nmオーダーまでの研磨面を得ることができた.
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