Research Abstract |
本研究では,昨年度に引き続き,加工の最終段階の工程では,研磨による仕上げが行われるが,その工程について大幅な省力化を図る新しい研磨技術の開発を行い,次のような研究ステップを踏んで,研究を実施した. (a)まず,砥粒を含むMCFによる研磨液中の成分等を変化させて流体開発を行った.それにより,最適な研磨効果を得る研磨液を作成することができた.このとき,次の(b)のステップでの結果を踏まえて,再度,フィードバックして流体の改良作成を行った. (b)次に,マイクロ,ナノ研磨の実施と研磨評価について,上記(a)で作成した研磨流体を用いて,あらゆる材料(SUS,セラミックス,ガラス等)におけるナノ研磨の実現と,非球面研磨の実現を目指して,既存の研磨試験装置を使用し,研磨基礎実験を行った.これにより,あらゆる材料(SUS,セラミックス,ガラス等)におけるナノ研磨を実現することができ,粗さの計測データを得た.また,SEM等による表面観察データも得た. (c)次に,研磨される物体と,研磨する面とにおいて,mmオーダーという,非常に大きい間隔を空けて行う研磨(フロートポリッシング)を,超鋼材や脆性材などのあらゆる材料において,かっ,凹凸などのあらゆる形状をもつ自由曲面における研磨を可能にする技術を得るまで,上記(a)と(b)を繰り返し行い,3次元複雑形状研磨実験の実施を行った.それにより,複雑形状を有する凹凸面の全面同時nmオーダーまでの研磨を得ることができた. (d)次に,本研磨手法を実用化するため,非常にシンプルな研磨装置を試作し,1号機,2号機の研磨試験機を作成した.すなわち,研磨される物体の表面に対して,流体を吸着した永久磁石を研磨される物体との間隔をmmオーダー空けて研磨するもので,研磨される物体と永久磁石はそれぞれ運動する.
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