2005 Fiscal Year Annual Research Report
音速-圧力-温度の関係を用いた射出成形金型内の樹脂温度分布測定
Project/Area Number |
17560091
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
西脇 信彦 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究部, 教授 (90016626)
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Keywords | 音速・圧力・温度 / 超音波 / 温度分布 / 射出成形 / 金型 / 樹脂 / グラスファイバー |
Research Abstract |
射出成形加工では金型内樹脂冷却状態や流動状態を把握するために,数値シミュレーション(CAE)が広く使用されている.しかし,金型内へ充填される樹脂は,高圧力・高粘度であるため,金型内樹脂の温度分布を直接測定することができない. そこで本研究では,圧力-音速-温度の関係を用い,金型内樹脂の音速分布を測定して温度分布を求める方法を確立することを目的とし,実験的研究を行ってきた. 具体的には,強化プラスチックの際に使われるグラスファイバーを樹脂に添加して射出成形加工を行い,同時に,金型の外表面から超音波を投射してその反射波形を測定・解析し,金型内樹脂の音速分布を求め,さらに金型内の圧力を測定して,圧力-音速-温度の関係から温度分布を測定するものである. 平成17年度は,次のような研究を行った.(1)アクリル板を積層し,各層の間にヒータと熱電対を入れ,ヒータで加熱することにより積層した物体の厚さ方向に温度分布をつくり,その温度を熱電対で測定するとともに本方法で音素を測定し,比較した.(2)実際に射出成形できる金型を作製し,金型外表面に取り付けたアレイ型超音波センサで樹脂内部のファイバーの像をパーソナルコンピュータに記録し,充填終了後のファイバーの動きから樹脂内部の温度を推定した.以上のような実験の結果,次のようなことが分かった.(1)アクリル板を積層した物体内の温度分布を測定したところ,熱電対の測定結果と概ね合致する結果となった.しかし,音速を算出する際の各層間の距離が測定精度に大きく影響することがわかった.(2)実際に成形したときの樹脂内部の音素分布を測定した結果,金型壁面近傍で温度が低くなる結果が得られた.しかし,樹脂内部のファイバーの位置を正確に特定することが重要であることがわかった.また,ファイバーの量が多すぎるとファイバーの位置の特定が難しくなることが分かった.
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