2006 Fiscal Year Annual Research Report
天然繊維の変形能と編織機構を活用したバイオマス・コンポジットの新機能発現性の創出
Project/Area Number |
17560098
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
合田 公一 山口大学, 大学院理工学研究科, 教授 (10153743)
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Keywords | グリーンコンポジット / バイオマス / 天然繊維 / 生分解性樹脂 / テキスタイル / 塑性変形能 / 撚り / マーセル化 |
Research Abstract |
本研究では,塑性加工などの実用化を視野に入れたグリーンコンポジット(Green Composites,以下‘GC'と記す)の開発を目指し,強化材にラミー平織布,マトリックス材に生分解性樹脂フィルムを用いたテキスタイルGCを作製した.そして,織物の性質を決定する平織布構成糸の撚りや織物密度が,平織GC材の機械的性質に及ぼす影響について調査した.得られた結果を以下に要約する. (1)平織布の緯糸数により,平織GC材の機械的性質は大きく異なる.すなわち,緯糸数を増すことで平織GC材の引張強度・ヤング率は増加し,減らすことで破断ひずみは増加する.ただし,緯糸数の増加による強度増加には限界がある. (2)平織布の経糸数により,平織GC材の機械的性質は大きく異なる.すなわち,経糸を増すことで平織GC材の破断ひずみは増加し,減らすことで引張強度およびヤング率は増加する. (3)平織布構成糸の撚り数により,平織GC材の機械的性質は大きく異なる.すなわち,撚り数を増加することで平織GC材のヤング率は増加し,破断ひずみは低下する.構成糸,平織布,および一方向材ではこの傾向は確認されなかったことから,撚り数増加によるヤング率の増加,および破断ひずみの低下は平織GC材固有の特性であるといえる.一方,撚り数の減少は平織GC材の機械的性質に大きな影響を及ぼさない. (4)以上のことから,平織布の織物密度,および糸の撚りは,平織GC材においても機械的性質を決定する重要なパラメータであると結論付けられる.今後は,平織GC材の実用化を目指すうえで,最適な織物密度,および撚り数の決定が必要となる.
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Research Products
(1 results)