2005 Fiscal Year Annual Research Report
丸穴および異形穴のマイクロプレス穴あけ加工における適正クリアランスに関する研究
Project/Area Number |
17560103
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
三井 公之 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90219668)
|
Keywords | プレス穴あけ加工 / 小型プレス穴あけ装置 / クリアランス / マイクロファクトリ / マイクロ生産システム / 微細加工 / 異形穴の穴あけ加工 / 画像処理 |
Research Abstract |
(1)小型プレス穴あけ実験装置の試作 現在,板厚3mm以下の材料に適用するクリアランス(片側)として,軟鋼で板厚の6〜9%,硬鋼:8〜12%,真鍮:6〜10%,アルミニウム合金:6〜10%等とすることが推奨されている,より穴径の小さいプレス穴あけ加工,あるいは矩形や歯車形状等の異形穴のマイクロ穴あけ加工に関し,適正なクリアランスを求める実験を行うためには,パンチとダイの中心を正確に一致させることが非常に重要となる.特に異形穴の穴あけ加工に対しては,中心の一致だけではなく,パンチとダイの角度関係の測定と調整も必要になる.また,パンチがダイに挿入される際の両者の平行度が十分な精度で保たれていることが必要である.このため,平成18年度に予定している矩形穴などの異形穴の穴あけ加工についての実験を行うために実験装置を試作した.なお,小型プレス穴あけ実験装置の試作にあたっては,(2)項にて述べるパンチとダイの中心合わせのための測定系の構成を視野に入れて設計・試作を行った. (2)パンチとダイの中心を合わせるための測定系の構築 一般にクリアランスの量は板厚が薄くなればなるほど小さくなっていくため,金属薄板においてパンチとダイのクリアランスを均一に保つことは容易ではないが,パンチとダイの中心を正確に一致させ,クリアランスを均一に保つ技術は,本研究を推進する上で必要不可欠の技術である.クリアランスを均一に保つ方法として静電容量を用いる方法等が報告されているが,本研究では,一般の光学顕微鏡と画像処理システムによるパンチとダイのクリアランス・軸心の精密計測を試みた.穴径1mm,全長16mmのダイの裏側から,倍率2倍の顕微鏡とCCDカメラを用いてパンチの端面とダイの穴を撮像し,その画像よりパンチとダイの中心合わせを約1μmの精度で実現した.さらに,新たな測定手法として3軸の力センサを用いることを試み,力センサ2台によりダイとパンチ中心の不一致を側方力として検出することを目標として試作装置を設計・製作した.
|