2005 Fiscal Year Annual Research Report
位置と姿勢を分離した6自由度空間パラレルメカニズムの機構総合
Project/Area Number |
17560116
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
武田 行生 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (20216914)
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Keywords | ロボット工学 / 機構学 / パラレルメカニズム / 設計工学 / 機構総合 / 位置・姿勢分離機構 / 作業領域 / 特異点 |
Research Abstract |
本研究では,従来の6自由度空間パラレルメカニズムにおける,運動解析・機構総合における計算の複雑さ,オーバースペックな設計効果,出力姿勢角範囲の小ささ,といった問題点を解決するために,出力リンクの位置と姿勢が構造的に分離した6自由度空間パラレルメカニズムについて,その具体的構造と各構造の運動学的および力学的特徴を明らかにするとともにその機構総合法を明らかにして,その機構設計の指針を明らかにすることを目的としている. 研究の初年度に当たる本年度は,位置・姿勢分離形機構を構成する部分機構である位置機構の構造の総合および運動特性の解析に関する理論的研究を中心に行った.まず,3つの連結連鎖からなる3自由度空間パラレルメカニズムを位置機構の対象として,その具体的構造を数の総合および適用可能なジョイントにより明らかにした.そして連結連鎖により出力リンクに加えられる拘束を求めることにより,空間運動の3軸方向の並進運動成分と3軸まわりの回転運動成分のうち出力運動として取りうる主たる3つの運動成分を個々の機構形式について明らかにした.その結果をもとに運動特性を系統的にまとめ,構造の総合により得られた機構形式を並進3成分,並進2成分+回転1成分,並進1成分+回転2成分,回転3成分の4つのグループに分類した.次に,一般的な3自由度空間パラレルメカニズムの逆運動学解析を行うために,仮想対偶を導入した繰返し許算に基づく手法を開発し,数値シミュレーションを行ってその有効性を確認した.さらに,並進3成分のみを出力運動とする位置機構を新たに見出し,その作業領域,特異点,剛性について理論解析を行うとともに,実験装置を試作して特異点における挙動について実験的に検討を加えた.
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