2005 Fiscal Year Annual Research Report
四角穴パターンを有する平行ダンパシールの乱流静特性
Project/Area Number |
17560117
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
金子 覚 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (90161174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田浦 裕生 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (20334691)
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Keywords | ダンパシール / 四角穴付きダンパシール / 円周方向溝付きシール / 平行環状シール / 漏れ流量 / すきま内圧力分布 / 乱流 / 混合距離モデル |
Research Abstract |
ダンパシールは,一般的に使用されているしゅう動面がスムーズな平行環状シールに比較して,漏れ流量が少なく,ふれまわり運動を抑制する接線方向力が大きいなどの特長がある.しかしながら,しゅう動面が複雑であるためシールすきま内の流れ場などの理論的解析が困難になっている.本研究の最終目標は,ダンパシールにおける最適しゅう動面形状パターンを見出すための解析コードを提供することにある.まずその足がかりとして,比較的解析が容易な四角穴しゅう動面パターンを有するダンパシール(以下,四角穴付きダンパシール)を対象として,二通りの乱流モデルを用いて理論的に解析する.得られた計算結果と実験結果との定量的な一致の度合いや,所要計算時間等の面からより実際的な解析手法を提案する. 以下に本年度行った研究成果をまとめる. 1.穴数の異なる3種類の四角穴付きダンパシールを製作した. 2.実験装置の改良:高い軸方向レイノルズ数(大きい漏れ流量)とシール両端の差圧を与えられるように高い揚程と吐出量を有するポンプと,大きい漏れ流量を計測するための電磁流量計を購入した.またシールすきまの影響を調べるため,シール部直径の異なる回転軸を新たに製作した. 3.予備実験:円周方向溝付きシール,新たに製作した四角穴付きシール,および平行環状シールを用いて静特性(漏れ流量,すきま内圧力分布)に関する予備実験を行った.その結果, ・漏れ流量は,平行環状シール,四角穴付きダンパシール,円周方向溝付きシールの順に減少した.また四角穴付きダンパシール,円周方向溝付きシールの漏れ流量に及ぼす回転速度の影響は,平行環状シールの場合に比べて小さい. ・円周方向溝付きシールに関して,軸方向圧力分布は入口から出口に向かって階段状に減少する.流路の狭くなるシール入口,溝出口部では圧力が急激に低下し,流路の広い溝中央部付近ではわずかではあるが圧力が上昇する. 4.数値計算:円周方向溝付きシールについて,混合距離モデルを用いて数値計算した結果,漏れ流量,すきま内圧力分布は実験結果と概ね一致した.
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