2006 Fiscal Year Annual Research Report
四角穴パターンを有する平行ダンパシールの乱流静特性
Project/Area Number |
17560117
|
Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
金子 覚 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (90161174)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田浦 裕生 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (20334691)
|
Keywords | ダンパシール / 四角穴付きダンパシール / 漏れ流量 / すきま内圧力分布 / 動的流体力 / 動特性係数 / エネルギー損失 |
Research Abstract |
ダンパシールは,一般的に使用されているしゅう動面がスムーズな平行環状シールに比較して,漏れ流量が少なく,ふれまわり運動を抑制する接線方向力が大きいなどの特長がある.しかしながら,しゅう動面が複雑であるためシールすきま内の流れ場などの理論的解析が困難になっている.本研究では比較的解析が容易な四角穴しゅう動面パターンを有するダンパシール(以下,四角穴付きダンパシール)を対象として,壁法則と混合距離仮説に基づき導出された乱流係数を適用したナビエ・ストークスの運動方程式と連続の式とを基礎方程式として数値計算により静特性を理論的に解析する.その際,シールしゅう動面の四角穴段差部を液体が通過するときのエネルギー損失を考慮する.また得られた計算結果を実験により検証する. 以下に本年度行った研究成果をまとめる. 1.四角穴付きダンパシールを用いて,静特性(ロータが自転のみでふれまわり運動していないときの,漏れ流量,すきま内圧力分布)を数値計算し,実験結果との定性的・定量的一致をみた.これにより本解析モデルの妥当性が検証された. さらに本解析モデルを用いて動特性(ロータが自転とふれまわり運動を同時に行っているときに,ロータに作用する動的流体力,動特性係数)を理論的に解析し,実験結果と比較した.その結果, 2.動的流体力,動特性係数について両者は定性的に一致した.また動特性係数で重要である主対角減衰係数は計算と実験で定量的にも一致した. 3.本解析モデルを用いて,周方向流れに直交する段差部でのエネルギー損失,及び軸方向流れに直交する段差部でのエネルギー損失がそれぞれ静及び動特性に及ぼす影響を理論的に解析した.その結果,前者はおもに動的流体力の接線方向成分(ふれまわり運動を抑制する減衰力)の増加に寄与し,後者はおもに漏れ流量の低減に寄与することを明らかにした.さらにこの結果から,漏れ特性及び減衰特性を向上させるためにシールしゅう動面に設ける穴の寸法,数などに関する設計指針を与えた.
|