2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17560119
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
賀勢 晋司 信州大学, 工学部, 教授 (90016791)
|
Keywords | ねじのゆるみ / 微小座面滑り / 車輪ハブ / 円錐状座面ナット / 手動トルクツール |
Research Abstract |
(1)新試験装置の製作 自動車の車輪ハブ締結部の形状から発想した円弧往復変位式のゆるみ試験装置を完成させた。直径100mmのピッチサークル上に等間隔に4箇所の試験部を配置したもので,同一種又は異種の供誌ボルト・ナット(主としてナット製品)を同時・同一条件で比較試験できる。また,車輪ハブ形の締結体のゆるみに対する基礎実験用にも使用できる。 (2)各種場合のゆるみ機構とゆるみ止め性能の実験 既設のゆるみ実験装置(軸直角往復直動式)と新製作のゆるみ試験装置(上述,円弧往復変位式)を用いて,特に微小座面滑りとゆるみの発生・進行に注目して詳細な実験を行った。ねじにおける,グリップ長さ,潤滑,ピッチが及ぼす影響を検討し,さらに平座金とフランジ付きナットがいかなる効果を示すかを調べた。グリップ長さ,潤滑,ピッチが及ぼす影響は,既に我々が提示したゆるみ機構の考え方から説明できるものであることを確認した。平座金とフランジ付きナットは座面の条件変化に微妙に影響し,ゆるみ発生を抑制する方向の効果をもたらすとの結果が得られたが,それにはばらつきが付きまとうことを知見として得た。微少といえども,いかにして座面の滑りを確実に防ぐかがゆるみ防止の原則となる。 (3)ナットに関する応力解析 円錐状座面を持つナット(ハブ用)について有限要素解析を行い,座面圧分布形状,ねじ山荷重分担率分布,相当応力分布,及びそれらに対する円錐角度偏差の影響を示した。通常のナットとは異なるところが多く,それにより,ハブ用ナットのゆるみ特性を検討するための基礎的な知識を得ることができた。 (4)手動トルクツール締付けによる軸力管理精度の検討 車輪ハブねじ締結に手動トルクツールを用いることを想定し,このような実際的な知見を集積する必要性を考えて実験的な検討を行った。いくつかの実験の結果,特に留意すべきこととして,通常の片手式トルクレンチは,両手式トルクレンチに較べて精度は劣り,ミスアライメント(トルクレンチ回転軸とボルト軸線の)の影響が非常に大きいことを示した。
|
Research Products
(4 results)