2005 Fiscal Year Annual Research Report
擬似位相共役法に基づくパルスレーザー誘起水中集束衝撃波発生に関する実験的研究
Project/Area Number |
17560146
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 新一 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (60135415)
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Keywords | 光工学 / パルスレーザー / 流体力学 / 衝撃工学 / 衝撃波 / 集束衝撃波 / 医療工学 / 腎臓結石 |
Research Abstract |
擬似位相共役法に基づくパルスレーザー誘起水中集束衝撃波発生に関して、以下の研究を実施した。 (1)水中での集束衝撃波の発生と伝播:水中に設置した円筒面にパルスレーザー光を照射し、水中衝撃波を発生させた。衝撃波が円筒の中心軸に集束する様子をシャドーグラフ法で可視化し、写真撮影を行った。 (2)水・アルコール混合液中での集束衝撃波の発生:水・エチルアルコール混合液を用い、水よりも僅かに音速の遅い溶液中に設置した円筒面にパルスレーザー光を照射し、上記(1)と同じ集束衝撃波の実験を行った。その結果、水・アルコール混合溶液は透明度が高く、可視化実験に適していることが実証された。 (3)可視化画像の合成と比較:水中での集束衝撃波の可視化画像と水・アルコール混合液中での集束衝撃波の可視化画像とをコンピュータ上で合成し、それぞれの媒質内での衝撃波伝播を比較した。その結果、画像合成の手法が、非一様媒質中における衝撃波伝播の解明に有効であることが示された。 (4)ゼラチンの音速測定:水中に設置されたゼラチンに、レーザー誘起衝撃波を入射し、ゼラチンの音速を測定した。その結果、ゼラチンに砂糖を添加することにより、ゼラチンの音速を容易に変えられることが示された。 (4)音速が非一様な媒質中における平面衝撃波または球面衝撃波の伝播:水中に設置されたゼラチンに、パルスレーザー照射で誘起された平面衝撃波又は球面衝撃波を入射し、伝播に伴って衝撃波形状が変化する様子をシャドーグラフ法で可視化撮影した。また、水との境界面に近いゼラチン中の砂糖が水中に溶け出すことにより、ゼラチン中の音速が一様ではなくなることが示された。これにより、ゼラチン単体で、音速が非一様な媒質になりうることが示された。
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