2005 Fiscal Year Annual Research Report
ディジタルホログラフィを用いた高精度ダイナミック3D-PIVの開発と応用
Project/Area Number |
17560148
|
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
村田 滋 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (50174298)
|
Keywords | 流体計測 / ディジタルホログラフィ / 3次元計測 / 時空間微分法 / 時系列画像 / 単眼計測 / 測定精度 / 非定常流れ |
Research Abstract |
本年度は数値シミュレーションによる微小粒子群粒径分布測定精度の改善,繊維状物体の姿勢計測の測定精度評価および実験による3次元非定常流れの流速分布測定法の測定精度改善を中心に研究成果を上げた.まず,微小粒子群粒径分布測定法については,位相情報を基とした再生像の画像化を行い,背景部の奥行き方向変化を生じさせない処理を施すことにより,再生像空間内に高密度に分布する粒子群を個々にかつ明瞭に再生することが出来た.これにより,観測できる対象粒子数密度を従来の4倍程度に拡大することができ,粒径測定精度も改善された.次に繊維状物体の姿勢計測法では,直線状物体に限定し,重心周りを回転しながら3次元空間を並進する運動について測定性能を評価した.姿勢計測としてはカメラから2次元計測可能な面内角度と計測不可能な奥行き角度の2つの角度で姿勢を表現したが,何れの角度についても1度程度以下のRMS誤差で計測できることを示した.現在,対象空間内に複数個の繊維状物体が存在する場合の測定法として拡張を図っている.最後に,3次元非定常流れの流速分布計測法であるが,光強度で表した再生像空間分布の時間変化から時空間微分法により可視化トレーサ粒子の3次元速度成分を精度良く検出することに成功した.従来の粒子位置を特定してからそれを時々刻々追跡する手法では,奥行き位置測定精度が十分ではないため,奥行き方向速度成分に著しい誤差を含んだが,本提案手法では奥行き方向に伸びる再生像の特徴を利用して再生像空間分布情報から速度ベクトルを直接測定するため,奥行き方向速度成分の検出精度を著しく改善できた.数値シミュレーションにおいて測定精度を評価した後,高速度カメラを用いた立方体内回転流の実験観測ホログラムにこれを適用したところ,容器内の3次元流動の瞬時構造が精度良く観測できることを実証した.本結果は日本機械学会論文集に報告した.
|
Research Products
(1 results)