2006 Fiscal Year Annual Research Report
入口流れの予旋回制御によるクロスフローファンの高性能化
Project/Area Number |
17560153
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
福富 純一郎 徳島大学, 大学院ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (30035646)
|
Keywords | 流体工学 / 省エネルギー / 流体機械 / ファン / ガイドベーン / 予旋回 / 高性能化 / 高圧力化 |
Research Abstract |
クロスフローファンにおいて、入口吸込流れの予旋回量はオイラーヘッドに直接関わり、性能に大きな影響を及ぼすにも関わらず、これまでほとんど検討されてこなかった。本研究において、吸込流れは大きな予旋回を持ち、しかも舌部側に偏った流れとなることが明らかとなった。クロスフローファンの羽根車内部には偏心した強い循環流(偏心渦)が形成され、その中心は強い負圧を示すことが知られている。本研究では、入口流れはその偏心渦中心の強い負圧に向かって吸込まれ、それによって予旋回を持つと考え、それを検証し明らかにした。また、高性能化を図るため、吸込領域に3枚のガイドベーンを設置し、これにより吸込流れを一様化するとともに、さらなる予旋回を与えることでファンの高圧力化、高効率化を図った。 得られた結果は以下のようである。 (1)クロスフローファンの入口流れは、羽根車内部に形成される偏心渦中心の強い負圧に向かって吸込まれるため、旋回成分を持ち、圧力上昇に大きな影響を及ぼす。 (2)舌部側入口では偏心渦に近いため流速が大きく、吸込流れが周方向に非一様になる。 (3)入口にガイドベーンを設置することで、低流量域においてはスクロール巻始め付近における逆流が押さえられ、動力係数が低下し、高い効率が得られる。 (4)ガイドベーンを設置することで、高流量域においては羽根車の回転方向と逆方向の大きな予旋回が与えられ、高い圧力係数が得られる。また、吸込流れが一様化されることでファン内部の偏心渦が弱くなり、動力係数が低下することにより高い効率が得られる。
|