2006 Fiscal Year Annual Research Report
機能性流体の内部構造および流動状態把握への超音波応用に関する研究
Project/Area Number |
17560159
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
澤田 達男 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (00162545)
|
Keywords | 磁性流体 / 機能性流体 / 超音波 / 音速 / 異方性 / MR流体 |
Research Abstract |
本年度は昨年度に引き続き磁性流体の超音波伝播特性と超音波速度分布法(UVP)を用いた磁性流体管内振動流の速度分布特性に関する実験を遂行した。また,磁性流体よりも内部粒子径の大きなMR流体の超音波伝播特性も調べた。 静止場における磁性流体中の超音波伝播では,磁化特性の異なる磁性流体を用いた。その結果,磁化強度に対応した超音波の音速変化や,異方性,ヒステリシスなどの特性が得られた。これには内部に形成される鎖状クラスターや磁性流体内部の強磁性体微粒子の構造が大きく関係していると考えられる。また,MR流体中の音速変化は磁性流体に比較し非常に大きなものであることが分かった。さらに,印加磁場に対する応答性も非常に高いことがわかった。磁場印加速さ(スイープレイト)を変化させる実験も行い,磁場印加速さと内部のクラスター成長との関連が,定性的に明らかになった。 流動場における計測として位置づけた,長時間の磁場印加によって鎖状クラスターを形成させた状態の管内振動流において,管軸方向に磁場を印加する実験を行った。昨年までの管軸に対して垂直印加する場合と異なる速度分布結果が得られた。これは,磁場強度分布の違いにより,内部に形成されるクラスター構造の形態変化に起因しているものと考えられる。磁場印加方向も考慮した速度分布評価法の構築を試みたが,現段階では,明確な結論は得られなかった。磁化率の低い磁性流体を用いて,管軸に垂直な磁場を印加した実験も遂行した。磁化特性の影響で,この場合も,昨年度とは異なる速度分布が得られた。速度分布から求めた疑似流量により,磁性流体の磁化特性や磁場印加時間の影響を説明し得ることが明らかとなった。
|
Research Products
(6 results)