2005 Fiscal Year Annual Research Report
自励振動型ループヒートパイプの流動・熱輸送特性の解明と動作限界の拡張
Project/Area Number |
17560172
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
井上 剛良 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (20193592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 祐二 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (20242274)
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Keywords | 自励振動型ヒートパイプ / 宇宙熱輸送デバイス / ウイック / ドライアウト / 流動特性 / アンモニア |
Research Abstract |
内径1.5mmの銅管を用い,ターン数6,加熱・冷却部長さをそれぞれ65mm,断熱部長さ270mmのループ型ヒートパイプの製作した.加熱部は流路外部に巻きつけたワイヤヒータの通電加熱による一様加熱,冷却部は冷却水を流して等温条件とした.作動流体にはエタノールを用い,流路内をいったん真空にしてから一定量を封入し,水平姿勢の状態で実験を行い,各部の温度を計測し有効熱伝導率を求め,熱輸送特性を評価した.ドライアウト対策には加熱部の作動流体の還流作用を促すものとして,銅のスズメッキ線のメッシュ(同軸ケーブルの外部導体)のワイヤーウイックを用い,断熱部から加熱部にかけて設置した.基本的なウイック挿入の効果としては,供給量はあまり多くないが液の供給作用があり,流れの方向付けの作用もあることが分かった.しかし,ウイック自身が流動抵抗となるので,過度な挿入はかえって性能低下を引き起こすことが分かった.加熱部熱流束の違いについては,ウイック挿入により低熱流束時に循環流を誘起し性能向上が見られ,中・高熱流束時には動作領域の拡大は見られたが,その流動抵抗により有効熱伝導率が低下した.また,適切な本数(本研究においては1から3本について検討)のウイックを循環流が生じるように配置することにより,振動流が誘起され最大熱輸送量の増加が見られた. さらに,宇宙環境下での利用を想定し,低温度下で動作するループ型ヒートパイプとして,作動流体に低温度時に十分な飽和蒸気圧の得られるアンモニアを用いたステンレス製の実験装置を新たに製作した.冷却部を約-30℃,加熱部を5〜25℃としてウイックなしの実験を行ったが,水平姿勢での動作確認はできなかった.しかし,垂直姿勢下部加熱時の実験においてはその熱輸送能力はエタノールを上回ることが確認された.ウイック挿入による水平姿勢における動作については今後検討する予定である.
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