2007 Fiscal Year Annual Research Report
液滴落下法による冷却伝熱面を用いない高濃度凍結濃縮の基礎研究
Project/Area Number |
17560179
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
平田 哲夫 Shinshu University, 工学部, 教授 (40126701)
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Keywords | 凍結 / 濃縮 / 氷筍 / 液滴 / 高濃度 / 水溶液 |
Research Abstract |
本研究は,特定の冷却伝熱面を用いないで氷柱を生成する方法に着目し,それを凍結濃縮に応用することにより低濃度溶液を一度の凍結操作で高濃度溶液に濃縮する方法を提案するものである.平成17〜18年度の研究においては様々なパラメータ,例えば落下液滴の流量や初期温度などを変化させた実験データを採取したので,今年度は解析モデルを導入してそれらの実験値を整理し,実験式を求めることを目的とした. 試料液にエチレングリコール5wt%,10wt%水溶液を用いて実験を行い,濃縮液及び解氷液の濃度,質量の測定を行って実験データを整理・分析した結果,以下のことが明らかになった. (1)濃縮液及び解氷液の濃度及び質量は,試料液流量と試験室温度の影響を強く受け,それらのパラメータを用いた実験整理式を求めることができた. (2)濃縮液量は,試験室温度が高いほど,また試料液濃度が高いほど多く得られる. (3)氷柱(解氷液)質量は,試験室温度が低いほど,また試料液濃度が低いほど大きくなる. (4)解氷液濃度は,試験室温度が高いほど小さくなり,試料液濃度の影響は小さい. (5)飛散量はピークを持ち,試験室温度が低いほど,また試料液濃度が低いほど少なくなる. (6)濃縮液及び氷柱などの質量に関しては,試験室温度と試料液濃度に依存するものの,濃縮液及び解氷液(氷柱)の濃度に関しては試験室温度のみで整理することも可能である.
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