2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17560194
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
小口 幸成 神奈川工科大学, 学長 (50051602)
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Keywords | アンモニア水溶液 / 熱力学性質 / 状態方程式 / pVTx性質 |
Research Abstract |
アンモニア水溶液は、低温度差熱源からの廃熱回収用熱媒体として国際的に期待されている物質であるため、研究代表者は国際水・蒸気性質協会からの要請もあり、アンモニア水溶液の熱力学性質について6年間にわたって研究を継続してきた。その過程から、重点的に研究すべき問題が鮮明となり、本研究課題となっている。本年度の研究実績は以下のとおりである。 1.気液平衡状態における熱物性値の確認を行うために、最も熱物性値の変化が大きいアンモニア濃度の大きな領域で実験を行った。すなわち、前年度に引き続いて、pVTx性質の実験研究を、アンモニアの組成95.9〜96.4mol%、温度312〜403K、圧力0.2〜16.0MPa、密度431〜576kg/m^3の各範囲において51点の実測値を得て、そのうち29点は液体域の実測値である。さらに、アンモニアの組成96.1mol%、温度302〜444K,圧力1.0〜12.4MPa,密度67〜117kg/m3の各範囲において36点を得たが、そのうち22点は蒸気域の実測値である。 2.定積比熱の実験装置を設計製作したが、熱損失量が多く、実測値を得るまでにはいたらなかった。温度測定関係でサーミスタを修理した。さらに、次年度に継続して試作を行う。 3.水・蒸気性質協会において制定されたアンモニア水溶液の国際式については、特に過冷却状態の挙動を正しく表現していないので、これを検討した。 4.水および水蒸気の状態式作成を試行した。アンモニア状態式については、スケーリング法則を考慮した新しい理論で作成を試みている。
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