2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17560194
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
小口 幸成 Kanagawa Institute of Technology, 学長 (50051602)
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Keywords | アンモニア水溶液 / 熱力学性質 / 状態方程式 / pVTx性質 |
Research Abstract |
本研究の目的は、アンモニア水溶液が地球環境に配慮した自然媒体であるとともに、熱回収用新媒体として国際的に期待されている物質であるので、その実用化に向けて、その熱力学性質を明らかにするものである。 アンモニア水溶液の熱力学性質を表現するには、水および水蒸気の国際状態式(研究用状態式)とアンモニアの国際状態式とを組み合わせた熱力学状態式が使用されている。しかし、水および水蒸気の国際状態式(研究用状態式)とアンモニアの国際状態式には、問題点が存在する。したがって、それらの問題点を明らかにして、国際状態式を改正することが必要である。 とくに、アンモニア水溶液の状態式は,低濃度域の最大密度軌跡を正しく表現していないことを明らかにした。そこでこれを改正するために、アンモニア濃度の低い混合領域において、現有の実験装置を使用し,昨年度までにpVTx性質を実験的に測定した。また,今年度は状態式作成に重要な情報を与える定積比熱を実測するために実験装置を製作した。しかし、熱損失量の推定に大きな誤差のあることが判明し、精度の高い定積比熱の実測値を得ることができないままに終了した。 状態式作成に関しては、実測値情報を収集したことから本研究は進展した。しかし、状態式は各種の熱力学性質を熱力学関係から計算によって求められるため、単にpVTx性質が正確に計算されるだけでは状態式としては不完全である。そのため途中経過を学会で発表するようなものではないことから、研究成果を公表するまでには至っていない。最終年度には成果を公表するように準備している。
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