Research Abstract |
セルフセンシングフィードバック制御系を構築し,直接速度フィードバックおよび正帰還位置フィードバックを行い,セルフセンシングアクチュエーションを用いたハードディスク用マイクロアクチュエータのアクティブ振動制御への実現可能性について検討し,swayモードをアクティブ振動制御できることを確認した.また,DVFを行った場合のほうが振動抑制効果が高いことが確認できた. また,フィードフォワード制御部に逆システムを構築するため,入力電圧から先端変位,各種センサ電圧までの伝達関数を周波数領域におけるカーブフィッティング法とARMAXモデルを採用した時間領域でのモデル化の2つを行った.周波数領域においてモデル化を行った場合は,入力から出力までの遅れを再現することができなかった.その点,時間領域においてモデル化を行った場合は,遅れを考慮にいれたモデルを得ることができたため,システム同定によって得たモデルを採用した. まず,入力から先端変位までのモデルを用いフィードフォワード制御部に逆システムを構築した.本研究で用いるサスペンション駆動型マイクロアクチュエ-夕は,遅れが生じる非最小位相系であり,右半平面に零点を持つ.よって,逆システムからの出力が発散してしまうため,それを防ぐために低域通過擬似逆システムを用いた.次に,CC/RCブリッジ回路によるセルフセンシングフィードバックを組み合わせた2自由度制御系を構成し,安定性,モデル化誤差によるロバスト性の向上を図った. サスペンション駆動型マイクロアクチュエータを搭載しているサスベンションアッセンブリの先端位置追従制御にニューラルネットワークを適用し,評価関数を最小とするような最適なゲイン値をニューラルネットワークが学習するようにニューラルネットワークを使用した.ニューラルネットワークを使用したゲインチューニングを行った場合は,ゲイン値が70付近に収束しており変位に高周波の外乱は現れずに,センサ電圧においては,ニューラルネットワークを使用した場合において精度よく目標センサ電圧に追従できていることが確認できた.これによって,ニューラルネットワークを用いて設定した評価関数を最小にするようにゲインの最適化を行うことにより,制御性能の向上が見込まれることがわかり,シミュレーション,実験においてニューラルネットワークを使用したセルフゲインチューニングの有効性を示すことができた.
|