2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17560226
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井上 健司 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 助教授 (40203228)
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Keywords | バーチャルリアリティ / ユーザインタフェース / 知能ロボティクス / ハプティクス |
Research Abstract |
本研究では,柔軟シートを用いて人体などの柔らかい物体の仮想的な視覚・触覚を提示するシステムの研究開発を行った.研究実績の概要は以下の通りである. ゴムなどの柔軟なシートは,きつく張ると固くなり,緩めれば柔らかくなる.よって,シートに直接触ることで,仮想柔軟物体の様々な感触(柔らかさ)を得ることができる.昨年度は,2台のロボットの先端に1枚の半透明柔軟シートを結合した触覚ディスプレイを構築した.本年度は,2台のロボットでシートを両端から引っ張り,バイアス張力を加えてシートの柔らかさを可変にする実験を行った.力-変位曲線を測定した結果,バイアス張力を変えることでシート上に異なる柔らかさが生成できることを示した.また,指先位置をカメラで計測し,指先接触点においてシートが常に仮想物体の接平面になるように動かす制御法を実装した.立体(円筒面)を指先で撫でる能動触の実験を行い,シートの移動精度を測定して有効性を示した.シートを折って二つの平面や柔らかい縁も実現した. 視覚提示は,シートを背面投影スクリーンとみなし,変形した仮想柔軟物体の立体CG画像をシートに投影することで実現した.この方法では,指先位置をカメラで計測し,仮想物体上の押し込み量を求める.有限要素法により仮想物体の変形を計算し,変形した物体のCG画像をシートに投影する.操作者は立体視用メガネを装着してこれを見る.上述の方法で立体に触る場合,スクリーンとなるシートは移動し,押し込むことで変形する.よって,単にシートに画像を投影しているだけでは物体がゆがんで見えてしまう.本年度は,この画像のゆがみを補正する方法を開発した.視点から見た画像の精度評価および被験者実験により,補正の有効性を示した. 上記の視覚と触覚の融合により,立体的に表示される仮想柔軟物体のCG画像を指先で押し込む場合や撫でる場合の視覚・触覚提示を実現した.
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Research Products
(3 results)