2006 Fiscal Year Annual Research Report
機能性素材センサを実装した構造異常検知車体の開発と車体健全性評価
Project/Area Number |
17560234
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
青木 義男 日本大学, 理工学部, 教授 (30184047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉 隆 日本大学, 理工学部, 教授 (30120372)
福田 敦 日本大学, 理工学部, 教授 (90208950)
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Keywords | モニタリング / 機械学習 / スマートセンサ / 構造健全性評価 / 自動車 / 衝突検知 |
Research Abstract |
本研究は、車載用の多機能でコンパクトな衝突検知システムを構築し、ITS技術および車両安全技術の進展に貢献しようとするものである。平成18年度は、昨年までに先行開発した衝撃検知システムのセンサ特性の検討と共に、自動車のプラスチック製バンパーや鋼板ボディパネルへの実装を行い、部材レベルと実車に登載した状態で様々な衝撃荷重条件における低速衝撃ならびに高速衝撃試験によってひずみ応答波形の測定を行い、衝撃を受ける部位の変化に伴う衝撃応答波形の相違などを調べた。センサ特性については、圧電ポリマーセンサは感度が高くしかも大きな衝撃に対しても計測可能であることを実証した。また、超弾性合金センサは大きな変形に追従し、動的特性の測定や破損検知にも利用できることが判明した。 次に衝撃応答波形からウェーブレット変換などの信号処理技術を利用して、測定した衝撃応答波形の特徴抽出を行い、入力信号レベルや波形形状の相違から、損傷度合いや損傷形態との関連付けが可能か否かを検討した。この結果、離散ウェーブレット変換による周波数帯別の時系列データに実効値の相違が明確に現れることが確認され、特徴の判別に利用できる可能性があることを示唆した。 また、実車バンパーに登載した衝突検知システムについてアイドリング時と停車時に、バンパーの各部に比較的小さな衝撃を与え、2、3の同定アルゴリズムを用いて、その応答信号から衝撃位置やその大きさの推定を試みた。その結果、拡張型線型識別器であるサポートベクターマシンによる推定結果の精度が最も高く、衝撃力とその入力位置の推定が可能であることを実証した。 この他、超弾性合金センサを車体ドア内部に組み込んだ落錘衝撃試験も行って、その破壊プロセスや衝撃エネルギー量について測定を行ったが、衝撃時の変形については超弾性合金センサの実装方法や端末処理について今後の課題が残った。
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