2007 Fiscal Year Annual Research Report
競争環境下電力市場における価格決定要因に関する研究
Project/Area Number |
17560260
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
宮内 肇 Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (20181977)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜多 敏博 熊本大学, 総合情報基盤センター, 准教授 (20284739)
三澤 哲也 名古屋市立大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (10190620)
|
Keywords | 電力自由化 / 電力市場 / 市場価格 / 回帰分析 / 時系列データ / 系列相関 / Cochran-Orcutt法 / Newey-Westの修正 |
Research Abstract |
電気事業が規制緩和され、世界諸地域で電力市場が開かれている。本研究では、電力前日市場の市場価格データに対し、24時間前の電力市場価格や電力需要などを説明変数とする回帰式による分析と、カオス性解析を行っている。その解析を元に、電力価格の決定要因や世界諸地域の市場間での相違などに関する検討を行っている。 自己回帰過程では誤差項の系列相関や不均一分散が考えられるため、今年度はまず、説明変数の有意性について再検証した。誤差項の系列相関モデルを、Cochran-Orcutt流の方法(Cochran-Orcutt法でモデルの推定に非線形最小二乗法を用いる手法)を用いて推定し、さらに、このような誤差項の系列相関や不均一分散が存在する場合のt値を計算するために、Newey-Westの修正を適用する。この結果、説明変数の有意性について、誤差項の系列相関や不均一分散を考慮しない場合には有意性を過大評価していたが、有意性そのものには問題ないことを確認した。 以上の再検証の後、米国東部のNew England市場について回帰分析を行った結果、オフピーク期は24時間前の電力市場価格が価格の決定要因として年々影響を増しているのに対し、ピーク期は市場価格が高い場合には需要が価格の決定要因として大きく作用することが分かった。さらに、米国東部冬ピーク期の価格高騰は、気温に関係する説明変数を導入することで、回帰式の当てはまりが改善されることを示している。 また昨年度に引き続き、日本卸電力取引所(JEPX)が公開しているシステムプライスを対象に、カオス性解析も行った。市場価格データも追加し、埋め込み次元、フラクタル次元などについて検証したが、カオス性の存在は確証できないものの存在を否定することはできない結果となった。
|
Research Products
(4 results)
-
[Journal Article]2007
Author(s)
Ito T.
-
Journal Title
Proc.of 2007 International Conference on Electrical Enineering (CD)
Pages: ICEE-157
Peer Reviewed
-
-
-