2006 Fiscal Year Annual Research Report
環境関連ガス検出用としての赤外線半導体レーザ材料の開発
Project/Area Number |
17560285
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
梶川 靖友 島根大学, 総合理工学部, 助教授 (00294364)
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Keywords | III-V族化合物半導体 / 分子線エピタキシー / X線回折測定 / 二次イオン質量分析 / 熱処理 |
Research Abstract |
3μm以上の発振波長の半導体レーザを実現可能な半導体混晶としてTlInAsの分子線結晶成長(MBE)法による成長を試みた。TlGaAsのMBE成長の場合と同様に、TlInAsのMBE成長においても成長温度を200℃以下に下げることでTlが取り込まれるのではないかと考えた。 TlInAsの成長に先立ち、200℃以下でMBE成長した場合のInAs結晶の特性が知られていなかったので、これを調べる必要があった。そこで、150-200℃でInAsをMBE成長したところ、300℃以上で成長した場合にくらべ、Asが0.5%程度過剰に含まれ、そのせいで格子間隔もInAs本来のものより膨張していることがわかった。 次に、TlInAsを150-200℃でMBE成長したところ、やはり格子間隔がInAs本来のものより大きかったが、Tlのためではなくこれも過剰なAsのせいとわかった。Tl濃度の深さ方向の分布を調べたところ、150℃で成長した場合は1.5%のTlが均一に分布していたが、200℃で成長した場合は、成長層の中央での濃度が1/10程度になることがわかった。250℃以上で成長したり、Tl濃度を2%以上にすると単結晶成長しないことがわかった。 一方、低温成長によって取り込まれる過剰Asの除去のためアニール実験を行った。まず、低温でMBE成長したInGaAs/GaAs量子井戸構造について急速アニールを行ったところ、250-300℃で成長した試料でも900℃程度の急速アニールにより、フォトルミネッセンス発光強度が増大し、400℃で成長した試料と同程度になることがわかった。しかし、低温でMBE成長したTlGaAs/GaAs量子井戸構造についてアニールを行ったところ、450℃以上のアニールでTl組成が減少することがわかった。
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Research Products
(3 results)