2005 Fiscal Year Annual Research Report
高飽和磁化・低共鳴損失型ナノ結晶薄膜のGHz帯におけるスピン・ダイナミクスの研究
Project/Area Number |
17560287
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
大越 正敏 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (90112177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗像 誠 崇城大学, 情報学部, 助教授 (10183112)
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Keywords | 軟磁性薄膜 / 磁気共鳴損失 / 高周波磁気特性 / 磁区 / 磁壁 / スピンダイナミクス |
Research Abstract |
高飽和磁化・低共鳴損失型CoFe系グラニュラー型ナノ結晶軟磁性薄膜を円筒電極型3元同時スパッタ装置により作製し、膜構造と磁気特性を研究した。 1)膜構造をXRD,SEM,AFMにより研究し、飽和磁化、一軸異方性エネルギー、保磁力と、ナノ結晶形状や配向性との関係を作製条件に対して明らかにした。膜構造においては、Bの微量添加により、高飽和磁化のCoFe微結晶(立方晶)のc軸が最大で3%増加して正方晶となり、これに付随して格子歪による磁気異方性が誘起されることがわかった。 2)デバイスアプリケーションに対応した最適な磁気特性(共鳴周波,透磁率)を得るための製膜条件と熱処理条件を検討し、磁気特性を制御するパラメータを明らかにした。格子歪の方向の配向化により、μ_r'、μ_r"が10GHzを超える磁気特性、すなわち異方性磁界にして700Oeの一軸異方性を誘起させることに成功した。 3)作製したCoFe系薄膜の高周波透磁率を10GHzまで測定評価し,μ_r'/μ_r"が2GHz以上で10を越えるような磁気特性を探査し、作製条件の最適化を行った。 CoFe系グラニュラー型ナノ結晶軟磁性薄膜の高周波磁化機構を明らかにする目的で、冷却型高速CCDカメラImagerIIIを用いた光学顕微鏡システムにより磁区や磁壁の動的な振る舞いを研究した。飽和磁化24.4kG、膜厚715nmのCo-Fe膜において、消磁状態の磁壁に対して高周波磁場を印加し、磁壁の繰り返し移動現象をパルスレーザーでサンプリングしながら観察した。その結果、磁壁の移動度は1MHzまでは25cm/sOeであることが分かった。より高周波においてはより強い磁場印加が必要である。
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Research Products
(5 results)