2007 Fiscal Year Annual Research Report
高飽和磁化・低共鳴損失型ナノ結晶薄膜のGHz帯におけるスピン・ダイナミクスの研究
Project/Area Number |
17560287
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
大越 正敏 Kyushu Institute of Technology, 情報工学部, 教授 (90112177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗像 誠 崇城大学, 情報学部, 教授 (10183112)
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Keywords | 軟磁性薄膜 / 磁気共鳴損失 / 高周波磁気特性 / 磁区 / 磁壁 / スピンダイナミクス |
Research Abstract |
高度情報化社会を迎えて携帯電話や無線LANなどで代表される100MHzからGHzの各種情報通信機器の需要が急速に拡大しており、GHz帯の薄膜インダクタやフィルタなどの高周波磁気デバイスに対する多くのニーズがある。しかしながら、情報通信機器に用いられる超高周波用磁性材料・デバイス分野の研究は大きく立ち遅れており、磁性薄膜デバイスの実用化例は未だほとんどない。このような超高周波化へ向けて、飽和磁化の高いCoFe膜や異方性磁界の高いCoFeB膜などが開発されている。とりわけ、CoFeBナノ結晶薄膜は、強磁性共鳴周波数がGHzに達しており、GHz帯でも動作可能な超低損失の磁性薄膜として薄膜インダクタへの応用に多くの関心が集まっている。 CO_<38>Fe_<47>B_<15>膜の磁壁移動特性を調べた結果、交流励磁における磁壁保磁力は0.50eと低く、磁壁移動の飽和速度Vsは50m/s、磁壁移動度Gは磁壁共鳴周波数f_1=220kHz付近で最大12m/s0eになることが分かった。高飽和磁化Co_<35>Fe_<65>膜では磁壁保磁力は40eと高く、制動係数βも大きい。Co_<38>Fe_<47>B_<15>膜の方が高周波特性に優れていることが分かった。 磁壁移動特性を支配するk、m、βは磁壁構造だけでなく膜構造にも依存する。磁壁の動的な構造変化を含めた磁壁構造の詳細は今後の研究課題であるが、磁壁移動特性の飽和磁化と異方性磁界との関係だけでなく、膜構造との関係をさらに追及する必要がある。
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Research Products
(4 results)