2006 Fiscal Year Annual Research Report
高効率熱電変換素子材料としてのナノ変調構造をもつTlInSe_2
Project/Area Number |
17560290
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
脇田 和樹 大阪府立大学, 工学研究科, 助教授 (80201151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芦田 淳 大阪府立大学, 工学研究科, 講師 (60231908)
沈 用球 大阪府立大学, 工学研究科, 助手 (20336803)
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Keywords | TlInSe_2 / インコメンシュレート相 / ゼーベック係数 / 熱電変換 / フォトルミネセンス / 電流電圧特性 / 負性抵抗 / 強誘電性 |
Research Abstract |
TlInSe_2結晶の電流電圧特性を測定し、微小電流領域において1つの試料ではオーミックな特性を示したが、他方の試料では大きなヒステリシスを観測し、後者の試料では強誘電性を示すことがわかった。また、大電流領域ではどちらの試料も測定ごとに電流-電圧特性が変化し、電流に対する電圧が減少するメモリー効果を観測した。試料を150℃まで加熱することによりメモリー効果が消失することから、この現象は他のT1系化合物で観測されるインコメンシュレート相におけるメモリー効果であると推論した。また、150℃までの加熱によるこの効果の消失は、その温度領域でインコメンシュレート相からノーマル相への構造相転移によると考察した。さらに、大電流領域ではいずれの試料もその電気伝導は空間電荷制限電流であることがわかった。 次に、TlInSe_2結晶の吸収特性を観測し、60から150℃の温度領域で吸収係数スペクトルの構造変化を見出した。またTlInSe_2化合物の吸収特性から間接遷移型であり、遷移に寄与するフォノンエネルギーがこの領域で減少している。これは相転移によるインコメンシュレート相の超格子構造に基づくバンドの折り返しによると考えた。 さらに、TlInSe_2に比べエネルギーギャップ小さいく、より熱電変換材料に適していると考えられるTlIn_2のバンド構造を擬ポテンシャル法により求めた。また、この計算から誘電関数を求めエリプソメトリーによる測定結果と比較し議論した。さらに、熱電特性についても検討を行った。
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Research Products
(6 results)