2006 Fiscal Year Annual Research Report
多結晶半導体太陽電池におけるプラズマレスドライテクスチャー化プロセスの研究
Project/Area Number |
17560291
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
齋藤 洋司 成蹊大学, 理工学部, 教授 (90196022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上原 信吾 成蹊大学, 理工学部, 教授 (40232780)
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Keywords | 三フッ化塩素 / 反射損失 / 電子顕微鏡 / 反射スペクトル / ハニカム構造 / グループ構造 / ライフタイム |
Research Abstract |
太陽電池の効率は一般的に反射損失、量子効率、表面および内部欠陥密度、直列抵抗により決定される。本研究ではその内、反射損失の低減に焦点をあて、単結晶および多結晶シリコンウェハに対して三フッ化塩素を用いたプラズマレスドライエッチングによるテクスチャー化を行い、電子顕微鏡による表面構造観察、光学的反射率評価、太陽電池の作製・電気的特性評価を行った。 テクスチャー化法として全面およびハニカム状エッチングを行った場合のライフタイム分布への影響を調べたところ、ライフタイムの劣化はわずかであることがわかり、本テクステャー法が基板にほとんど損傷を与えないことが推定された。一方、熱工程がライフタイムに与える影響が大きいことがわかり、検討の余地があることが分かった。パターニングを施したマスクを形成後エッチング処理を行ってハニカム状およびU溝(グループ)状テクスチャー構造を形成した場合についても反射率の評価を行ったところ、ほぼ同等なスペクトルを得た。また、テクスチャー構造に反射防止膜として酸化チタンまたは水素化窒化シリコン膜を堆積したところ、さらなる反射率低減ができた。 さらに、上記の表面処理を行った基板を用いてpn接合および電極を形成し、太陽電池試料を作製したところ、未処理セルと比較して発電効率の向上を確認した。ハニカム状およびグループ状テクスチャー構造では、反射防止膜がないセルにおいても13%以上の変換効率を得た。しかしながら、全面テクスチャーの場合は11%以下にとどまった。今後はこの原因の解明と改善を行う予定である。
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