2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17560293
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Research Institution | TOKAI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
犬島 喬 東海大学, 情報理工学部, 教授 (20266381)
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Keywords | InNの超伝導 / フェルミ面 / 電子局在 / モット転移濃度 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、InNの磁気抵抗の温度依存性を電子密度の関数として測定した。今回はInNの電子密度(ne)を世界のInNの研究者の協力を得て、4×10^<17>cm^<-3>から4×10^<20>cm<-3>までの試料をフランス・グルノーブルの強磁場研究センター(GHMFL)で測定した。今回測定の試料は総て超伝導相転移を示した。これらの試料のシュブェコフ・ドハース振動解析により、InNは等方的なフェルミ面を持つが、超伝導に相転移するInNはa-b面内のSdH振動が不鮮明であることが分かった。このab面に局在した電子分布は昨年報告の、超伝導を示さないInNでも観測されていることから、この電子分布は表面や界面に蓄積された電子によるものではなく、InN内の本質的な電子構造であり、しかもab面内の方向に依存するInN結晶の低次元構造に原因がある。また、40mKの極低温での臨界電流密度計測により、このab面内の超伝導はジョゼフソン接合からなっており、磁場と結晶c軸のなす角度依存性により、この伝導には大きな異方性が存在する。今までの研究の結論として、InNは直接型半導体であり、InNの伝導帯はほぼ等方的なフェルミ球をなしているとして間違いは無さそうである。しかし、この他に印加磁場がa-b面に垂直の場合に現れるab面に広がった金属的なフェルミ面が存在し、結晶のわずかな乱れによりジョゼフソン接合超伝導を発生している、と理解している。この電子構造はab面内の電子局在と関係し、[10-10]方向と[11-20]方向で全く異なる構造をもつ。このことはInNの結晶構造、特にab面内のIn原子の配列に異常が存在することを意味する。このわずかな結晶の乱れが本質的なものか、あるいは結晶を構成している金属ln原子の波動関数の特異性によるものかの研究を進めている。今後はこの特徴をより明確に決定する実験をおこなう。
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Research Products
(3 results)