2007 Fiscal Year Annual Research Report
青色波長領域に対応する短波長光磁気用磁性半導体膜の開発
Project/Area Number |
17560295
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
今村 正明 Fukuoka Institute of Technology, 工学部, 教授 (40111794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 俊尚 福岡工業大学, 工学部, 教授 (50037925)
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Keywords | 分子線エピタキシャル / 磁性半導体 / ファラデー回転特性 / 広禁制帯幅 / 直接遷移型II-VI半導体 / ZnMnTe / ZnMnSe |
Research Abstract |
II-VI族磁性半導体(Magnetic Semiconductor:MS)を用いて常温で動作するファラデー素子の短波長化を計画し,次の項目の達成を目指した。 (1)広い禁制帯幅を持ち,透過窓が緑色及び青色Laser Diode(LD)の波長領域に適合する高ファラデー回転の直接遷移型A^<II>_1-x-yMn_xB^<VI>膜の開発。 (2)MS光磁性膜は利用波長領域で透明な磁性体となるが,光透過率とファラデー特性の詳細検討を図り,期待する性能向上について起源の明確化を行う。 本年度は,これまで培った赤色LD(635nm:1.96eV)用Cd_1-xMn_xTe膜の作成方法および光磁気特性測定方法の技術を活かして行ってきた本研究課題の対象MS膜である緑色LD(532nm:2.33eV)用Zn_1-xMn_xTe,青色LD(475nm:2.61eV)用Zn_1-xMn_xSeの研究をさらに進めるとともに研究成果の総括を行った。2007年度の研究で確認ができた,または明らかにできた事項は以下の通りである。 (3)これまでの研究で,Zn_1-xMn_xTe膜は光透過率およびファラデー回転スペクトル両特性が光波長532nmの緑色において良く整合し,高周波光磁気センサに応用可能な特性,すなわち歪みの極めて小さい線形特性に優れた出力信号波形を励振交番磁界(〜1.6kHz)において示すこと,さらにその実験で観測した受光器出力は,高周波エンコーダの光磁気センサとして,また光変流器(光CT)用の電流センサとして応用を十分期待できるデータが得られることを確認した。 (4)広禁制帯幅を持つZn_1-xMn_xTeまたZn_1-xMn_xSeの光透過特性及びファラデー回転特性の研究成果をまとめ,緑色532nm及び青色475nmに対するMS膜の光磁気特性の有効性を確認し,さらに禁制帯幅がZn_1-xMn_xSeとZn_1-xMn_xSの間に位置する(Zn_1-xMn_x)_0.5(Se_1-yS_y)0.5や,青色475nm及び紫色405nmに対して動作可能と考えるZn_1-xMn_xS膜へ研究を進めるための基礎データの蓄積を行うことができた。このことにより,今後新しい組成を含む広禁制帯幅磁性半導体膜の開発へとさらに研究を発展させることが可能になった。
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