2007 Fiscal Year Annual Research Report
移動体通信用小形高性能高温超電導フィルタの研究開発
Project/Area Number |
17560303
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
馬 哲旺 Saitama University, 大学院・理工学研究科, 助教授 (40282909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 禧夫 埼玉大学, 地域共同研究センター, 客員教授 (00008830)
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Keywords | 無線通信 / 高温超電導体 / マイクロ波 / マイクロストリップ線路 / フィルタ / コンポジット共振器 / マルチバンド / 超広帯域 |
Research Abstract |
高周波デバイスへの応用として、従来高温超電導薄膜は主に低損失な多段狭帯域フィルタへの開発に用いられている。近年各種の無線通信技術および応用の急速な発展に伴い、マルチモード・マルチバンドに対応できるマイクロ波フィルタや超広帯域(UWB)フィルタは注目を浴びている。高温超電導薄膜を用いたマルチバンドフィルタの研究開発も報告されている。しかし、従来のフィルタ設計理論がマルチバンドフィルタやUWBフィルタといった新しいフィルタへ適用は困難であることが大きな問題となっている。 本年度ではマルチバンドフィルタやUWBフィルタの新しい設計手法に関する基礎研究を主たる目的としている。 まず、複数の共振周波数を持つコンポジット共振器の集中定数等価回路とそれを用いたデュアルバンド帯域通過フィルタ(DBBPF)およびトリプルバンド帯域通過フィルタ(TBBPF)の等価回路を提案し、その設計公式を導出した。次にマイクロストリップ線路で種々のコンポジット共振器を構成し、複数の種類のDBBPFおよびTBBPFを設計、試作し、その特性の測定評価を行った。その結果、所望のフィルタ特性が得られ、提案した設計手法の有効性を実証した。最後にマルチバンドに対応できるインバータの構成法を提案し、より精度の高いマルチバンドフィルタの設計方法を開発した。 次に、マイクロストリップリング共振器を用い、準ミリ波帯用のUWBフィルタの設計を行った。3.1-10.6GHz用のUWBフィルタは既に数多く研究開発されたが、22-29GHzの準ミリ波帯用のUWBフィルタに関する研究報告はまだ少ない。本研究ではまずスタブ付きマイクロストリップリング共振器を使用し、中心周波数25.5CHz、通過域を22-29GHzとするUWBフィルタを設計し、FCCの基準を概ね達成した特性を実現した。次に新しいマイクロストリップデュアルモードリング共振器の特性を詳しく検討した上で,広い通過域,急峻なスカート特性および広い阻止域を持つ準ミリ波帯用のUWBフィルタを設計した。
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