2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17560307
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
葛原 正明 福井大学, 工学部, 教授 (20377469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 あき勇 福井大学, 工学部, 教授 (90210517)
橋本 明弘 福井大学, 工学部, 助教授 (10251985)
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Keywords | GaN / pnダイオード / 高耐圧 / 正孔濃度 / アニール / 電界効果トランジスタ |
Research Abstract |
低損失且つ高耐圧な電気的特性をもつ次世代の大電力スイッチングダイオードや電界効果トランジスタの実現を目指して、GaN系pn接合の実験的基礎検討およびエンハンスメントモードの電界効果トランジスタの理論検討を行った。平成17年度は、低抵抗p形GaNの実験的検討に関して、Mg不純物を用いたp形GaNのエピタキシャル結晶成長と成長層の電気的特性の温度依存性評価を行った。また、エンハンスメントモードの電界効果トランジスタについては、モンテカルロシミュレーションを用いた2次元デバイスシミュレータを構築し、III族窒化物半導体ヘテロ接合の組合せと層厚などの構造パラメータがしきい値電圧に与える影響などを理論的に調べた。主な結果を以下に示す。 1)サファイア基板上にMg添加のp-GaNサンプルをMOCVD法を用いて成長した。膜厚は300nmとした。Niをオーミック電極に用いてvan der Pauw法によるホール素子を作製した。ホール測定から求めた室温の正孔濃度と正孔移動度はそれぞれ2x10^<16>cm^<-3>,14cm^2/Vsであった。 2)今回準備したp形GaN層は室温で強い光応答を示し、端子開放電圧は約0.3V程度シフトした。表面および基板バッファ側の界面準位やオーミック特性の不完全性などが原因として考えられる。 3)抵抗率の温度依存性を測定した結果、200K以下ではオーミック特性が非線形となり抵抗率が正しく定義できないことが判明した。200〜400Kの温度範囲では、抵抗率と温度の逆数(1/T)との間にほぼ直線関係が得られ、傾きから求めた活性化エネルギは130-160meVであった。 4)Mg不純物の電気的活性化促進のため、成長後の高温短時間アニールを検討した。今回は装置供給電力不足のため最高アニール温度が700℃までに限られ、有意な活性化の促進効果を確認できなかった。装置の電源系統を改良し、1000℃以上の活性化熱処理効果を検討できるよう準備した。 5)GaNをチャネル層にもつ電界効果トランジスタ(FET)の2次元モンテカルロシミュレータを構築し、スイッチング素子に要求されるエンハンスメント動作について検討した。AIGaN/GaN系ヘテロ接合FETにおいて、AIGaN層厚が2〜4nmのときエンハンスメント動作が実現できることを予測した。
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