2007 Fiscal Year Annual Research Report
金属格子に励振される表面プラズモンの特性解明と濃度センサへの応用
Project/Area Number |
17560313
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
奥野 洋一 Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 教授 (50117082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
周山 大慶 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助教 (70336204)
松田 豊稔 熊本電波工業高等専門学校, 情報通信工学科, 教授 (00157322)
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Keywords | 金属格子 / プラズモン共鳴吸収 / 誘電体屈折率の測定 / コニカルマウント |
Research Abstract |
本研究は、金属格子の表面プラズモン共鳴吸収を濃度センサ(プラズモンセンサ)への応用について検討した。現在実用化されているプラズモンセンサは、金属薄膜とプリズムを利用したものが主流であるが、我々は金属格子を利用したプラズモンセンサの可能性について理論(計算機シミュレーション)と実験の両面から検討した。まず、誘電体でコーティング金属格子における表面プラズモン励振の数値計算と実験結果を比較し、誘電体コーティングによる共鳴吸収の発生位置(入射角)の移動を実験で確認した。次に、金属格子を利用したプラズモンセンサとしての利用を考えると、吸収が起こる角度を高い精度で測定することが求められる。しかし、従来行われてきたように回折効率だけを見ていたのでは、十分な精度を得ることが困難である。そこで、我々は、共鳴吸収が格子表面付近の界の増強と、強いTM-TEモード変換を伴う(TM波を入射し、回折波を測定すると、大部分がTE波である)ことに着目した。シミュレーションで(TM波の効率)÷(TE波の効率)を予測したものは共鳴吸収の起こる入射角で鋭いピークを示した。実際、表面プラズモン共鳴吸収に伴うTM-TEのモード変換を濃度測定に応用し、プラズモンセンサへの可能性について数値計算と実験の両方から確認できた。最後、測定試料によって最適な方位角などのパラメーターを選び、入射角を固定して、方位角をまわすなどの工夫を施すことによって、測定精度が飛躍的に向上し、従来のプラズモンセンサより十数倍の分解能が得ることができ、高分解能なプラズモンセンサへの応用が可能になった。
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Research Products
(5 results)