2005 Fiscal Year Annual Research Report
次世代大容量光情報通信のための高効率超広帯域光増幅器の研究
Project/Area Number |
17560322
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
大石 泰丈 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80360238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 健伸 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, ポストドクトラル研究員 (60367828)
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Keywords | 光増幅 / 光増幅 / 光源技術 / 光物性 / フォトニックネットワーク |
Research Abstract |
(1)Ni添加Li_2O-Ga_2O_3-SiO_2(LGS)系透明結晶化ガラスを見出した。このガラス系では適切な組成で適切なアニールを行うことで、Niを含むナノサイズのLiGa_5O_8結晶相が析出し高効率の発光を示すことを見出した。新規に開発したLGS系透明結晶化ガラスが既存の透明結晶化ガラスよりも約10倍の量子効率(10%)を有しており、既存の光増幅用希土類添加ガラスに匹敵することを見出した。 熱処理の条件が適切でない場合には、目的の結晶相以外の結晶相も生じて、ガラスの不透明化が起こることが問題である。ガラス試料の熱分析や構造解析から、結晶相の析出の機構を明らかにし、もっとも効率的に透明結晶化ガラスが得られる熱処理条件を見いだした。 (2)噴霧火炎法によりNiを添加したMgO-SiO_2ナノ粒子の合成に成功した。約10nmの一次粒子の鎖状凝集体が得られた。一次粒子は単結晶で、固相反応で作製したNi:MgO多結晶粉末と同等の蛍光スペクトルおよび発光寿命が得られ、NiがMgO一次粒子に取り込まれていることを明らかした。また、Crドープフォルステライトナノ粒子の合成にも成功した。粒径数十nmのフォルステライトナノ粒子が得られCr^<4+>からの蛍光を確認した。 (3)Bi添加Li_2O-Al_2O_3-siO_2系ガラスを基本組成とするガラスが適切な励起波長を選択することで発光がブロードになり、これまで報告された中で最も広帯域な500nmを超える半値幅を持つ発光を示すことを明らかにした。2種類の配位環境下にある発光中心が寄与することで通常では考えられないほどブロードな発光が起こることを発光スペクトルの励起波長依存性測定より示した。極低温から室温まで、この発光の寿命は変化することがなく、室温においても非輻射遷移による発光効率(10%)の低下が見られないことを明らかにした。この発光の起源は光増幅遷移としての性能指数が高く、Bi添加Li_2O-Al_2O_3-SiO_2系が超広帯域光増幅媒体としてきわめて優れていることを示した。
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