2005 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマ生成された光活性アモルファス酸化チタン薄膜の電子状態の研究
Project/Area Number |
17560323
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Aichi University of Technology |
Principal Investigator |
畑中 義式 愛知工科大学, 工学部, 教授 (60006278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂口 鋼一 愛知工科大学, 工学部, 講師 (20106975)
大道 学 愛知工科大学, 工学部, 講師 (20291875)
嶋川 晃一 岐阜大学, 工学部, 教授 (60021614)
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Keywords | プラズマCVD / 酸化チタン薄膜 / 紫外線光伝導効果 / 光触媒 / 超親水性 / 環境材料 / 酸化チタンの電子状態 / 酸素ガスセンサー |
Research Abstract |
プラズマ生成された酸化チタン薄膜は膜中に多くのOH基を含み、これが、膜中の原子間未結合手の終端をすることから、電気的に不活性となり、光励起電子・ホールの再結合寿命が長くなることが明らかとなった。しかしながら、バンドギャップ中の欠陥準位がどのようになっているか等、詳細は全く分かっていない。 本研究において、プラズマ生成されたサンプルを、真空中もしくはアルゴン等不活性ガス中において、紫外線を照射して、その光伝導の挙動を調べた。光照射(1mW/cm^2)により5〜6桁の電流変化が現れる。立ち上がりは数分〜10分であるのに対し、光遮断後の減衰の時定数は1時間以上に及ぶ。光電流が大きく得られることは光励起キャリヤーの再結合が少なくなったことであり、特にバンドギャップ中心付近の再結合中心が補償されたためと思われる。光遮断後も維持電流が流れ続けることは、次のように説明できる。バンドギャップ端から深い位置に存在するトラップ準位に捕獲された電子、又はホールは捕獲と放射を繰り返しながら電流を流し続ける。 一方、雰囲気ガス中に酸素ガスを微量に混入すると、光遮断後の維持電流の減衰は極めて大きく影響する。酸素ガス分圧に反比例して維持電流の時定数は減少し、光電流値も酸素ガス分圧に反比例する。このことは、酸素ガスが酸化チタン表面に衝突することにより、光励起キャリヤーを再結合させる仲立ちをしていることが明確である。即ち、酸化チタン表面において酸素分子が付着することにより、バンドギャップ中心に近いこととの再結合中心が見かけ上活性化されたこととなる。又は、酸素分子自身が電子とホールの再結合の仲立ちをしているとも考えられる。これらについては、更に検討を要する課題である。 以上プラズマ生成された酸化チタン薄膜の電子準位について糸口が解明されてきた。これらの結果は、酸化チタンの応用研究に大きく役立つものである。
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Research Products
(6 results)