2006 Fiscal Year Annual Research Report
プライバシー保護と被写体の識別を両立させる固定モニタカメラ映像処理手法の研究
Project/Area Number |
17560329
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
北澤 仁志 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 教授 (60345329)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 聡久 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 助教授 (70360584)
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Keywords | 画像処理 / プライバシ保護 / 固定モニタカメラ / 電子透かし / JPEG圧縮 |
Research Abstract |
固定モニタカメラは現在では犯罪の抑止や犯罪捜査,遠隔地の状況把握に不可欠な機器となっており,プライバシーの問題に対しても運用法での対応のみでなく技術的な解決手段を確立する必要がある.本研究では,映像中の人物や車などを,通常の画像表示プログラムでは識別不可能にし,犯罪捜査などで必要が生じたときには元画像が復元できる仕組みを実現し,プライバシー問題の解決手法となることを示した.前年度までに,(a)移動物体部分へのマスキング,(b)電子透かしによる元画像情報の埋め込み,(c)AESを用いた暗号化,により基本システムを実現した.18年度はシステムの性能向上を目指して下記3点の研究を進めた. 1.復元画像の画質の向上とデータ量の削減: 画質の向上を狙うと圧縮率を下げる必要がありデータ量が増加する.本研究では,移動物体がマスキングされた画像には高い圧縮率を適用し,移動物体の復元に使用する埋め込み画像には低い圧縮率を用いることにより,単一の圧縮率を用いる場合よりも約25%データ量が削減できることを示した(文献2). 2.フレーム間相関を利用したデータ量の削減: 固定モニタカメラでは背景の変化は小さいため,Nフレームの間同じ背景を用い,これにNフレーム分の移動物体情報を埋め込む仕組みを実現した.これにより更に約1/2にデータ量が削減できることを示した(文献4). 3.移動物体抽出の高度化: 提案手法を有効に機能させるには移動物体を出来るだけ正確に抽出する必要がある.そのためには移動物体部分の抽出漏れを起こさず,影やゴーストなどの擬似移動物体の抽出を避ける手法が必要となる.従来から用いられていた輝度の正規化距離による影判別を,RGB値を用いた正規化距離に拡張する手法を提案し,直射日光による影の判別や,背景と同じテクスチャの移動物体の抽出漏れの防止に有効であることを示した(文献3).
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Research Products
(4 results)